- 1 リスクとリターンは表裏一体
- 2 Frax Finance(FRAX)のリスク
- 3 価格崩壊のシナリオ
- 4 FRAXのペッグ崩壊シナリオ
- 5 Frax Financeの対策
- 6 まとめ
Iron Financeのステーブルコイン”IRON”と担保通貨のTITAN事件はDeFi市場最も悲惨な結果となりました。一方でIron Financeのフォーク(コピー)元であるFrax Financeのリスクを考慮すると、いつかは起こるであろう予測できた事件でありブラックスワンではなかったと言えます。
本稿ではIron Financeが抱えていたリスクについてFrax Financeのリスクとステーブルコインを維持するための重要性について詳しく解説を行います。Frax Financeの基本的な仕組みについては墨汁マガジン「図解で理解するFRAXの仕組み Pt.1 部分担保の新たなステーブルコインFrax Financeとは?」を参照してください。
リスクとリターンは表裏一体
Maker DAOのリスクとして、DAIの担保にしているイーサリアムやビットコイン価格が急激な下落を起こし、その結果として担保率が150%を下回ることで清算されてしまうというリスクがあります。ですがこれはリスクではあるものの、清算は担保率管理を怠ったユーザーの責任であり
「担保にして借入を行っているということはこれらを署名で合意している」
というのがイーサリアム上のコントラクトの特徴です。ですがこれらのリスクを下げて新しいステーブルコインを生み出す場合、利便性を向上させると同時に新たなリスクが出てきてしまいます。これは設計段階で新たな仕組みを取れ入れた場合に同時にリスクが発生し、リスクのみを下げてリターンを上げるという美味しい話はないということです。このリスクとリターンはブロックチェーンではよく無視され、「○○はイーサリアムを超える、優れている」のような表現がされます。これはDeFiにも言えることで、むしろリスクと想定される被害が大きくなっているものが多々あります。
Frax Finance(FRAX)のリスク
Frax Finance及びIron Financeも同様で、Maker DAO以上のリスクを有します。それは
「FRAX及びIRONはステーブルコインの需要によってペッグが保たれている」
というものです。これはどういうことかというとFRAXの価格を保つには2つのシナリオが考えられ、
1.FRAXを