- 1 イーサリアムのガス代高騰
- 2 ガスの高さが示すイーサリアム利用率
- 3 図解で理解するEIP-1559とガス代の仕組み
- 4 Priority Feeとガス代
- 5 Sharding実装後のガス代はどうなる?
- 6 Casper FFGとSharding
- 7 Casper FFGの利点
- 8 SharidngのスケーラビリティとEIP-1559
- 9 まとめ
イーサリアムのガス代はDeFiの継続需要とNFTバブル、ETHやERC20トークン価格の高騰により非常に高い数値を維持しています。一方でこの高いガス代を維持しているのはEIP-1559による影響であり、それだけイーサリアムを使用されていることを示しているのです。本稿ではEIP-1559とイーサリアム2.0の完成形でShardingが実装されてより高いスケーラビリティをイーサリアムが実現した際、ガス代とEIP-1559におけるバーンがどのように作用するのかについて図解で詳しく解説を行います。
イーサリアム2.0のSharding実装後の完成形の概要については墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」を参照してください。
イーサリアムのガス代高騰
イーサリアムはビットコインを参考にしたブロックオークションモデルのガス代計算の問題を修正するEIP-1559を2021年8月5日にメインネットに実装しました。このEIP-1559 の実装からわずか3ヶ月で約70万ETH日本円にして約3430億円相当のETHをバーン(焼却)しており、直近のバーンレートからみて年内に100万ETHイーサリアム市場供給量の1%にのぼる勢いとなっているのです。
出典:Ultarasound – EIP-1559によるETHのバーン数
このバーンレートの高さはETH価格を安定または高騰するサポートとなっていますが、その一方でガス代(EIP-1559ではBase Fee)が常に高いことを示します。実際にETHのガス代推移を見てみるとわかるように、平均的なガス代がこの1週間100Gweiを超えて160Gwei水準となっており、さらにETH価格が50万円前後を安定していることで単純なERC20トークン送金だけでも30ドルもコストがかかるようになっているのです。
ガスの高さが示すイーサリアム利用率
ガス代の高さはユーザビリティの問題とも言えますが、これはEIP-1559 の仕組みからみて
「それだけイーサリアムが使用されている」
ことを示します。
つまり単純にビットコインのようなブロックオークションで一部のユーザーが高額な手数料を支払っているのではなく、混雑するほどにイーサリアムを使用している多くのユーザーがいるということなのです。このような圧倒的な需要はもはや現存のブロックチェーンではスケーリングすることはできないため、イーサリアム2.0で実装するSharidngでしか対応できないのです。
EIP-1559の仕組みについては墨汁マガジンVol.590「EIP-1559でイーサリアムのガス(手数料)支払いはどう変わるのか?」を参照してください。
図解で理解するEIP-1559とガス代の仕組み
EIP-1559 ではビットコインや過去のイーサリアムのように
「高い手数料でブロックを専有できない」
のです。
これは例としてわかりやすいのが例えばBase Feeが1Gweiのとき
「