- 1 図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
- 2 イーサリアムのThe MergeとL2
- 3 The Merge実装後はどうなる?
- 4 イーサリアム2.0の拡張と展開
- 5 The Mergeで変わるEVM事情
- 6 イーサリアム2.0の完成形
- 7 まとめ
イーサリアム2.0のロードマップはThe Mergeにより、当初の予定とは異なるネットワーク展開となっています。このThe MergeとなるEIP-3675ではイーサリアム2.0の構造が変化することとArbitrumやOptimismのようなRollupを活用したL2が活発になってきていることで、イーサリアム2.0がブロックチェーンで最も複雑で巨大なエコシステムとなるのです。
本稿では2021年10月の最新版のイーサリアム2.0の完成形とネットワーク展開を図解で詳しく解説を行います。
図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
墨汁マガジンVol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」
墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」
墨汁マガジンVol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
墨汁マガジンVol.609「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.3 Fraud Proofとは?L2スケーリングにおける利点と欠点」
墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」
墨汁マガジンVol.641「The Surgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」
墨汁マガジンVol.704「Sequencer(シークエンサー)とは?L2のRollupにおけるバリデータの役割」
墨汁マガジンVol.726「図解で理解するRelayer型クロスチェーンブリッジコントラクトの仕組み」
墨汁マガジンVol.789「EIP-4844 Proto-Dankshardingとは?図解で理解するイーサリアムへの影響」
イーサリアムのThe MergeとL2
イーサリアムは本来イーサリアム2.0におけるShradingの実装でイーサリアムチェーンを複数に分割し、さらにArbitrumなどのRollupを利用したL2をその上の改装に展開することでEOSやTRON、BSCのようなセキュリティを下げてスケーリングするモデルとは異なる巨大ネットワークを構築する予定でした。
ですが現在のThe Mergeによるマイニングの廃止とPoSへの完全移行し、さらにL2へのシフトが加速してきていることからThe Merge後にShardingでネットワーク展開する前に高いTPSをL2のみで可能にする可能性が出てきています。現在のマイニングを必要とするイーサリアムではマイナーが自己利益のために利己的に動くのに対し、The Mergeではスラッシュと32ETHのステーキング分が減少するというペナルティと共にネットワークをより誠実に保つインセンティブがあります。
このインセンティブと共にL2でRollupの最終形をSharding実装より前に実現する可能性があるため、The Mergeは非常に重要なイベントであると言えるでしょう。
The Mergeによるイーサリアム2.0の構造については墨汁マガジンVol.600「図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合”The Merge” Pt.1 今後の重要実装EIP-3675とは?」を参照してください。
The Merge実装後はどうなる?
ではThe Merge実装後のイーサリアム2.0のネットワーク展開とL2を含めた最終形態について順を追って見ていきましょう。
まずThe Mergeでは