- 1 図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
- 2 イーサリアムのブリッジとは?
- 3 USDCが公式でサポートするネットワーク
- 4 Relayer型ブリッジコントラクトとは?
- 5 Relayer型ブリッジの仕組み図解
- 5.1 ブリッジコントラクトへの署名
- 5.2 トランザクションの検知と状態
- 5.3 TX検証と投票
- 5.4 ブリッジ先での入金処理
- 6 Relayer型ブリッジコントラクトのリスク
- 7 ノードの分散性が鍵
- 8 最悪の事例
- 9 Realyer型ブリッジ問題の解決策
- 10 まとめ
2022年にかけてイーサリアムのL2やEVM経済圏などが大きく発展し、2020年以前では考えられなかった”インターオペラビリティ”が一般化しています。この背景にはイーサリアムからRollupチェーンやL1のEVM経済圏へ送金を可能にする”ブリッジコントラクト”が根幹であり、公式ブリッジはRelayer型を採用しているのです。
本稿ではRelayer型ブリッジの仕組み、リスクについて非エンジニア向けにわかりやすく解説を行います。
図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
墨汁マガジンVol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」
墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」
墨汁マガジンVol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
墨汁マガジンVol.609「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.3 Fraud Proofとは?L2スケーリングにおける利点と欠点」
墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」
墨汁マガジンVol.641「The Surgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」
墨汁マガジンVol.704「Sequencer(シークエンサー)とは?L2のRollupにおけるバリデータの役割」
墨汁マガジンVol.726「図解で理解するRelayer型クロスチェーンブリッジコントラクトの仕組み」
墨汁マガジンVol.789「EIP-4844 Proto-Dankshardingとは?図解で理解するイーサリアムへの影響」
イーサリアムのブリッジとは?
イーサリアムにおける”ブリッジ”とは、
「イーサリアム上で発行されているETHやERC20トークを、Arbitrum(アービトラム)などのL2やGnosis Cain(ノーシスチェーン)などのEVM経済圏に送金すること」
を表します。
このブリッジを利用することで、例えばイーサリアム上で発行されているETHをArbitrumに持ち込んだり、USDCのようにCentre(センター)がイーサリアム上で発行しているステーブルコインなどが対応がなくてもL2上で利用することができるのです。
USDCが公式でサポートするネットワーク
例えばステーブルコイン最大手のUSDC(USD Coin)は2022年7月現在、Rollup(ロールアップ)を採用したArbitrumやOptimismなどのL2(レイヤー2)上で正式にUSDCを発行していないのです。
USDCがサポートするブロックチェーンは
イーサリアム(ETH)
Algorand(ALGO)
Solana(SOL)
Avalanche(AVAX)
Stellar(XLM)
Tron(TRX)
Hedra(HBAR)
Flow(FLOW)
Polygon(MATIC)
のみです。
ですがブリッジコントラクトを使用することでArbitrumやOptimismといったUSDC公式サポート外でもUSDCを使用することができるという利点があり、同時にリスクもあるのです。
出典:Cricle – USDCがサポートするブロックチェーンネットワークの一覧
Relayer型ブリッジコントラクトとは?
ArbitrumやOptimismのようなOptimistic Rollupを採用したL2、Gnosis ChainなどのEVM経済圏ではEVMを採用しているため公式ブリッジが用意されています。
この公式ブリッジに採用されている技術は”Relayer型”のブリッジコントラクトで
「Relayer型とはC