- 1 図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合一覧
- 2 イーサリアムのETH1とETH2のマージとは?
- 3 EIP-3675 “The Merge”
- 4 マイニングの廃止
- 5 ETH1とETH2の統合後のイーサリアム
- 6 ETH2への移行問題解決
- 7 ETH1とETH2統合後の問題と対処方法
- 7.1 短期的なバリデータコスト
- 7.2 長期的なEVM問題
- 8 まとめ
イーサリアムはイーサリアム2.0のロードマップを変更し、Shardingの実装前に現行のETH1とETH2を早ければ2021年内に統合する”The Merge”を予定しています。この通称The MergeはEIP-3675として正式にイーサリアム実装提案として議論が開始されており、イーサリアムにおける一大イベントと言えるでしょう。
本稿ではイーサリアム2.0のETH1とETH2の統合”The Merge”の概要について詳しく解説を行います。イーサリアム2.0のShardingについてはリサーチレポート「真のイーサリアムキラーは”イーサリアム2.0(セレニティ)”」のShardingとは?を参照してください。
図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合一覧
墨汁マガジンVol.600「図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合”The Merge” Pt.1 今後の重要実装EIP-3675とは?」
墨汁マガジンVol.601「図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合”The Merge”Pt.2 ETH1エンジンとは?」
イーサリアムのETH1とETH2のマージとは?
イーサリアムのETH1とETH2のマージ(統合)とはThe Mergeとも呼ばれており、現行のDeFiやNFTマーケットプレイスが動いているイーサリアム1.0(またはレガシーチェーン)とイーサリアム2.0のバリデータのシステムチェーンである”Beacon Chain”を統合し、一つのイーサリアムネットワークとすることを指します。このETH1とETH2の統合(以下The Mergeとする)は2021年初旬に議論が開始され、3月にマイナーの51%攻撃の呼びかけなどによってイーサリアム2.0のリサーチャーからコミュニティの合意があるため早急に統合をしようと提案されました。
このThe Mergeによってイーサリアムからはマイニングが廃止され、完全にイーサリアム版PoSのCasper FFGに移行します。これによりETHへの一番の影響は
「イーサリアムのインフレ率が極端に変動する」
というものです。
The Mergeにおけるイーサリアムのインフレ率変動については墨汁マガジンVol.586「イーサリアムの今後 ETH1とETH2のマージ(統合)でETHの発行数はどのように変化するのか?」を参照してください。
EIP-3675 “The Merge”
EIP-3675はThe MergeのEIPとして2021年7月に正式にイーサリアムに導入する実装提案が上がりました。このEIP-3675 “The Merge”での主な変更点は
1.マイニングの廃止(Casper FFGへの移行)
2.ETH1をEVM実行チェーン、ETH2をコンセンサスチェーンとする
3.バリデータのETH2引出し実装は延期し、最小の変更とする
というのが主なものとなっています。順をおって見てみましょう。
マイニングの廃止
EIP-3675では
PoS