- 1 2016年Bitfinexから流出した9.4万BTCを押収
- 2 押収されたビットコインは誰のもの?
- 3 過去のBitfinexの揉め事
- 4 9.4万BTCは売られるのか?
- 5 ビットコインの売り圧はピークへ
- 6 まとめ
2016年にハッキングされたBitfinexは、被害として約12万BTCを盗まれたことによりビットコインが大暴落した歴史を持ちます。このBitfinexのハッキングから約6年が経過した2022年2月、米司法省はこの盗まれたビットコインをマネーロンダリングしたとして押収したと発表しました。本稿ではこの押収された9.4万BTCが今後のどのように扱われ、誰の所有権となって売られるのか?について当時の状況からみて詳しく解説を行います。
2016年Bitfinexから流出した9.4万BTCを押収
米司法省はニューヨークでBitfinexのハッキングで流出した約12万BTCのロンダリングを行ったとして、マネーロンダリングの容疑でIlya Lichtenstein容疑者とHeather Morgan容疑者を逮捕。また容疑者がクラウドサービス上に暗号化して保管していた秘密鍵などのファイルを入手し、マネーロンダリングされていない9.4万BTCを保有するウォレットにアクセスを成功しました。
この発表が行われる前、2月に入って連続してBitfinexのハッカー保有と見られるアドレスからビットコインが送金されており、このトランザクションがIRSの特別捜査官によって押収された時のものであったということになります。
出典:Blockchain – Bitfinexのハッキングビットコインの押収トランザクション
Bitfinexの押収された9.4万ビットコインが保管されているのはbc1qazcm763858nkj2dj986etajv6wquslv8uxwcztとなっており、2月11日現時点で94,643万BTCが保管されています。
一方でこの2016年のBitfinexのハッキングは現在におけるUSDTのテザー疑惑が生まれた原因となっており、押収された9.4万BTCの返還はスムーズには行かない可能性があると言えるでしょう。
Bitfinexの2016年ハッキングによる12万BTCの流出とその後の対応については墨汁マガジンVol.198「USDTは危ない!?テザー疑惑が生まれた歴史と74%の裏付け問題」を参照してください。
押収されたビットコインは誰のもの?
押収されたビットコインはBitfinexから盗まれたものであり、基本的にはBitfinexに帰属すると言えますが、少し複雑になっているのです。Bitfinexは