- 1 USDNの高いAPYとボーナス
- 2 NSBT(Neutrino System Base Token)とは?
- 3 NSBTとMKRのガバナンス以外の重要な役割
- 4 USDNの価格を安定させる仕組み
- 5 DEFICIT(不足)と対応
- 6 USDNのペッグが崩れる理由
- 7 Neutrino Protocolガバナンスの問題
- 8 USDN安定の仕組みの欠陥
- 9 まとめ
Wavesが発行するクロスチェーンアルゴリズミックステーブルコインのUSDN(Neutrino USD)は定期的に1ドルへのペッグが崩れることが有名で、Convex FinanceなどでのイールドファーミングのAPYは高いものの非常にリスキーなステーブルコインであると言えるでしょう。USDNが不安定なのには理由があり、2022年4月に入って大きくUSDNの価格が下落してペッグが崩壊したのはUSDNを発行するWavesの”Neutrino Protocol”の仕組み自体に問題があるのです。
本稿ではUSDNのペッグが安定しないで価格下落する理由とNeutrino Protocolによるペッグ安定を目的として導入されている仕組みについてわかりやすく解説を行います。Wavesが発行するUSDNについては墨汁マガジン「USDN(Nutrino USD)とは?WAVES担保のクロスチェーンステーブルコインUSDNの概要」にてわかりやすく解説をしています。
USDNの高いAPYとボーナス
USDN(Neutrino USD)は今回のペッグ下落に伴いCurve FinanceのCRVアグリゲーターである”Convex Finance”で2022年4月中旬現在約38.53%のAPR(APY)を獲得できます。このConvex FinanceのUSDNプールのAPRの詳細を見ると、Base Curve vAPRつまりCurve FinanceにおけるUSDNの流動性マイング報酬が19.06%となっており、この報酬の高騰がUSDNのペッグ崩れが原因であるということがわかるでしょう。
出典:Convex Finance – USDNプールの高APRの詳細
これはCurve Finance側のUSDNプールでペッグ崩れに起因するプールバランスの変動により、メタプールの3PoolのUSDC、USDT、DAIがショートであることによるボーナスとCRV、CVX報酬目的による投機が影響しているのです。ですがこれらのペッグ崩れによるボーナスやCRV、CVXなどのイールドファーミング報酬狙いのプール選択はUSDNの不安定さからみても非常に危険と言えるでしょう。
出典:Curve Finance – USDNプールの流動性追加時のボーナス
Curve Financeの流動性プール選びの注意点については墨汁マガジンVol.563「Curve Financeの流動性マイニングプールの選び方 CRVの利回りで選んではいけない理由」を参照してください。
NSBT(Neutrino System Base Token)とは?
NSBT(Neutrino System Base Token)とはNeutrino ProtocolがUSDNのペッグ安定性を担保するシステムトークンの役割を表し、ガバナンストークンでもあるためMaker DAOのMKRとCurve FinanceのCRVを真似た形式となっており、NSBTの役割は
1.Neutrino Protocolのガバナンストークン
2.