目次
- 1 イーサリアムクラシックと異なる状況
- 2 そもそものイーサリアムの仕組み
- 3 混乱の原因
- 4 フォーク(分裂)後の問題
- 5 分裂チェーンをプロジェクトがサポートするか?
- 6 まとめ
イーサリアムがThe Merge後に正規ネットワークのイーサリアム2.0(PoSイーサリアム)になるのに対し、現状のマイニングでマイナーが利益を得るためにフォークする予定となっているPoWイーサリアム(PoWETHまたはETHW)では、イーサリアムクラシックの時の分裂以上の混乱を招くことが想定できるでしょう。
本稿ではイーサリアムがPoWETH(ETHW)として分裂した場合、DeFiでのLPトークンによるポジションやNFTなどのコントラクトの状態がどのようになるのかについてわかりやすく解説を行います。
イーサリアムクラシックと異なる状況
今回のイーサリアムからのThe Mergeによって分裂する場合、2016年のイーサリアムクラシックとは状況が大きく異るため混乱を生じることになるでしょう。
というのも約6年前とは現在のイーサリアムの状況は大きくことなり
1.DeFiやNFTなどの多くのプロジェクトが動いている
2.L2やEVM経済圏などのサイドチェーンが存在する
3.イーサリアム上で発行されているステーブルコインの存在
4.ETH担保のDAIやDeFiの組み合わせが複雑
という点であり、数千倍の差が出ているとも言えるでしょう。
また2017年のビットコインキャッシュ(BCH)のようにビットコインのエコシステムと異なるため、簡単なフォークとはならないという問題があります。
そもそものイーサリアムの仕組み
多くのユーザーが分裂後にどうなるのかについて混乱している状態ですが、これはそもそものイーサリアムの仕組みを考えれば答えがでます。イーサリアムの仕組みはUTXOというビットコインの仕組みとことなり、
「状態遷移モデル