- 1 The Merge後のトランザクション手数料はどうなる?
- 2 トランザクション手数料のETHは引き出せるのか?
- 3 図解で理解するThe Merge後のコントラクト実行
- 4 図解で理解するThe Merge後のETH報酬
- 5 Fee Recipient(バリデータ報酬受取)とは?
- 6 まとめ
イーサリアムは9月にマイニングを廃止してイーサリアム独自のProof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク)であるCasper FFGを採用したイーサリアム2.0に移行するThe Mergeが実装されます。このThe Mergeではマイニングが廃止されることが注目されがちですが、The Merge(マージ)によってイーサリアム自体の構造が大きく変化し、その影響はマイナーの代わりとなる32ETHをステーキングした”ETH2バリデータ”にも大きな影響を与えるのです。
本稿ではThe Mergeからイーサリアムのステーキングしているバリデータの環境が大きく変わる”トランザクション手数料の報酬”と”Fee Recipient(バリデータ手数料の受取)”について非エンジニア向けのステーキングユーザーがわかりやすいように解説を行います。
あまり知られていないThe Merge後のイーサリアムの仕組みについては墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合 Pt.1 今後の重要実装EIP-3675」を参照してください。
The Merge後のトランザクション手数料はどうなる?
イーサリアムのThe Merge後に大きく変わるのはイーサリアム自体の構造ですが、それに伴いトランザクション手数料の形態も大きく変わるということを知っているイーサリアムユーザーは少ないでしょう。
イーサリアムで送金やDeFiやNFTアートなどを利用する際に必要となるのがETHをガスとして使用する手数料ですが、EIP-1559が導入された現在のイーサリアムのトランザクション手数料は
1.EIP-1559でバーンされるBase Fee(基本手数料)
2.マイナーに報酬として付与されるPriority Fee(優先手数料)
の2つで構成されています。
The Merge後には
「このトランザクション手数料として支払われたETHのうち2のPriority Feeは32ETHをステーキングしているバリデータに報酬として付与されるように変更される」
のです。
EIP-1559の仕組みについては墨汁マガジンVol.623「図解で理解するEIP-1559でガス代が下がる仕組み Sahrding実装後イーサリアムのガス代は下がるのか?」でわかりやすく解説しています。
トランザクション手数料のETHは引き出せるのか?
まず結論から言うと、
「バリデータ報酬として付与されるPriority FeeはThe Merge