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墨汁マガジンVol.120「EOSはETHより将来的な価値は高いのか? 前編」

目次
  • 1 1.PoWは電気代の無駄というのは間違い
    • 1.1 1-1.PoWに対する間違った認識
    • 1.2 1-2.ブロックチェーンではなく、成し得る結果が重要
  • 2 2.分散と処理速度のトレードオフ
    • 2.1 2-1.PoWによる経済構成原理
    • 2.2 2-2.分散合意における注意点
  • 3 3.結論と考察

1.PoWは電気代の無駄というのは間違い

イーサリアムは、ブロックチェーンの金融活用以外の応用として開発されているビットコイン2.0の中で、Dappsやサイドチェーン、オフチェーンプロジェクトなどの多くのスタートアップによる巨大エコシステムを構成しています。

また、独自のワールドコンピュータという概念のうちのコアとなるスマートコントラクトは、後発の同様のコンセプトのブロックチェーンと比較し、後者が優れているという主張を見ます。

ここでは、イーサリアム上でICOを1年間行い、独自ブロックチェーンに移行したEOSと比較してみましょう。

1-1.PoWに対する間違った認識

まず大前提に、PoWを批判する声があります。また、逆にPoWの電気は価値の源泉という主張もありますが、それも正しいとは言えないでしょう。

EOSはDPoS(Delegated Proof of Stake)を採用しており、ネイティブコインの$EOSをステークすることで、加重をもたせるというものです。対してPoWの加重はハッシュパワーによるものであり、電気という継続のコストを必要とます。

ここで、PoS型のコンセンサスアルゴリズムはPoWと比較する際、下記のような表現が見られます。

 

・遅い

・コスト(電気代)が高い

・環境に悪い

 

確かに、一面のみを見た場合にはそう表現することができますが、これは銀行が「ブロックチェーンでコスト削減ができる」とプライベートチェーンの実証実験を行い、「役に立たない」と結論付ける愚かな考えと同じであると言えます。

 

1-2.ブロックチェーンではなく、成し得る結果が重要

実際は、ブロックチェーンで

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