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墨汁マガジンVol.135「ビットコインでReorgが起きる理由とシンプルな分散合意形成を理解する」

目次
  • 1 ビットコインキャッシュ
  • 2 BCHのReorg対策、Deep Reorg Protectionは有効か?
  • 3 ブロックチェーンでReorgが起きる理由
  • 4 最長のチェーンルールによる合意形成
  • 5 同時にブロックが生成されたとき
  • 6 中途半端な分散合意問題
  • 7 4.まとめ

ビットコインは分散合意を行うためにチェーンの再編成を行う「Reorg」が必須となっており、ルール上では取り込まれたトランザクションにファイナリティを持たないためTXの巻き戻しが起きます。

本稿ではビットコインがコンセンサスのためにReorgが絶対必要な理由について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。

ビットコインキャッシュ

ビットコインキャッシュは、2017年8月にビットコインからフォークしたコインで、もともとビットコインがブロックサイズを増やしてもスケーリングできるということを実証実験として証明するために生まれたものです。

ですが、方向性の違いからBCHABCとBCHSVに更に分裂してしまいました。BSVはその後ビッグブロックのスケーリングテストでReorgしてしまうという大きなアクシデントを抱え、リプレイプロテクションを実装することで、ハッシュウォーの決着となりました。BCHは実は仮想通貨、特にPoWにおいて重要な証明を行っており、投資をする際にプロジェクトの判断を行うには技術的かつエコシステム上を詳しく理解しておく必要があるでしょう。

BCHのReorg対策、Deep Reorg Protectionは有効か?

今回、イーサリアムクラシックが51%攻撃を受けたことから、同一アルゴリズムとフォークプロジェクト各位はそのチェーンのセキュリティについて考え直さなければなりません。

ですが内容の難しさから投資しているユーザーが理解できていないという側面を持ちます。今回のETCではReorgによる二重払いが行われましたが、そもそもなぜReorgが起きるのでしょうか?また、BCHはReorg対策に10ブロックごとのチェックポイントを導入していますが、これは有効なのでしょうか?順をおってみていきましょう。

 

イーサリアムクラシックの51%攻撃は元々予期ができたもので、マガジンのVol.33で紹介した内容となるので、参照してください。

 

ブロックチェーンでReorgが起きる理由

ブロックチェーンは、DMMSを利用することで複数のユーザー感で合意形成が可能となるネットワークです。ですがイーサリアムクラシックやモナコインなどハッシュレートの低いチェーンにおいて、51%攻撃とそれにならびセルフィッシュマイニングからの攻撃を受け、Deep Reorgつまり数十ブロック以上のReorgが行われました。

もちろんこれは、セルフィッシュマイニングと悪意のある攻撃者によるものですが、BCHのように10ブロックごとにチェックポイントを設けて

 

「そこまでのブロックチェーンが正であるとして送金が完了したとする”ファイナリティ”」

 

という対策は正しいのかを考える必要があるでしょう。

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