- 1 1.BCHとBTCの歴史関係
- 2 2.BTCとBCH実利用の比較
- 3 3.セキュリティ上のリスク
- 4 4.まとめ
ビットコインキャッシュが誕生して約1年半、ビットコインの最高価格を記録した影響で記録した最高価格の4100ドルから96%の下落を記録しています。本稿ではビットコインキャッシュの問題や実利用から、今後について投資商品として分析してみましょう。
1.BCHとBTCの歴史関係
まず投資家としてフラットな目線で見る場合、ビットコインキャッシュの目的について知っておく必要があります。ブロックチェーンは単一のトランザクションであっても、すべてのノードが検証する必要があるため、ブロック伝達率の問題があります。そのため、ナカモトサトシ自らが導入したブロックサイズのリミットは増える送金需要にもリミットを課すこととなり、送金手数料の高騰を生んでしまいます。また、ビットコインはマリアビリティアタックという問題からも署名を分離してマイナーの報酬となる新規BTCのCoinbaseへ格納するSegWitは複数の問題を解決しつつ利益を生むという解決を導入しました。
ブロック伝達率とスケーリングについては下記マガジンを参照
ですが、このSegWitはASIC企業のBitmainが利用していた利益をより多く得られるASICBoostを無効にしてしまいました。またビットコインブロックチェーンによるセキュリティのバックを利用したライトニングネットワークは、SegWitによりペイメントチャンネルを無制限に開ける代わりにマイナーの収益が減ると判断したBitmainはブロックサイズを大きくすることで、取り込めるトランザクション数を上げて手数料をより儲けるためにビッグブロックを支持するBCHのフォークを支持しました。
その結果、
「ビッグブロックでのスケーリングと運用の証明を行えるという実証実験としてのフォークとし、最終的にはネットワークセキュリティから1つのビットコインとして戻るべきだ」
としてBCHが誕生。ですがその後BCHとBSVにさらに分裂した後に当初の目的と違う方向へと進んでいます。
2.BTCとBCH実利用の比較
現在ビットコインのブロックサイズは1MBではあるものの、SegWitによって実質2MBとなっています。対してBCHは8MB、BSVは128MBとなっています。
ブロック生成時間とマイニングのハッシュアルゴリズムはフォーク元のSHA-256(イーサリアムはEthash、ZcashはEquihash)BTCから変わっていないため、ビットコインASICでマイニングが可能となっています。つまり、ここでのスケーリングの比較を見るとブロックサイズが大きいほど平均10分に1度生成されるブロックに含まれるトランザクション数は相対的に見ると、BCHはBTCの4倍、BSVは64倍となります。
ですが、もちろん数字を増やせばスケーリングできるというような簡単なものではないのが現実です。ブロックチェーンはP2P技術をベースに作成されており、各ノードがお互いのデータを保有して検証することでセキュリティが保たれる一方、これは上記で説明した「単一のトランザクションをすべてのノードが検証する必要がある」ということになります。
つまり、これはスケーリングとのトレードオフで、セキュリティが下がることになります(後ほど解説します)。
https://bitinfocharts.com/comparison/size-btc-bch.html
ではBCHのトランザクションを見てみると、SegWit後からもコンスタントに送金がされ1MBが続いているのに対し、BCHはストレステストで大きく伸びている以外はほとんど送金されていないことがわかります。
これは、BCHというアルトコインはその名前の通り、