- 1 Solana(SOL)のコア技術一覧
- 2 Turbine(タービン)とは?
- 3 ブロック伝達のスケーリング
- 4 Turbineの仕組み
- 5 Solanaの構造と問題点
- 6 イーサリアム2.0との比較
- 7 RollupとL2のセキュリティ
- 8 図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
- 9 まとめ
VDFを活用したProof of Historyによる非中央集権時計を活用するSolana(SOL)は、イーサリアム2.0とは異なるスケーリングアプローチを行っており、その他イーサリアムフォローのブロックチェーンとは一線を隠す技術やコンセプトを有しています。
本稿ではSolanaのProof of HistoryやTower BFTと合わせて重要となるコア技術”Turbine(タービン)”について解説し、イーサリアム2.0とSolanaの違いについて詳しく解説を行います。
イーサリアム2.0の概要と仕組みについては墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」を参照してください。
Solana(SOL)のコア技術一覧
Tower BFTの前提知識として
墨汁マガジンVol.621「VDF(Verifiable Delay Function)とは?イーサリアム2.0により高いセキュリティを実現する関数を理解する」
墨汁マガジンVol.622「Solana(SOL)のProof of Historyとは?VDFを用いた”非中央集権時計”を理解する」
墨汁マガジンVol.624「Solana(SOL)のTower BFTとは?Proof of Hisotryを用いた非同期PBTFを理解する」
墨汁マガジン「Solana(SOL)のLeaderとClusterとは?MempoolレスのGulf Streamの仕組み」
を先に参照してください。
Turbine(タービン)とは?
SolanaのTurbine(タービン)とはP2PクライアントのBitTorrentから発想を得たブロック伝達方法を指します。SolanaはVDFで実現するProof of Hisotryをベースに、Tower BFTで非同期PBFTによるスケーリングを実現する一方、P2Pネットワークにおけるデータ伝達というクリティカルな部分にも対処しなければなりません。
このブロック伝達率の問題はビットコインキャッシュ及びビットコインSVが実際に証明したように、
「ブロックチェーンにおけるノード間のブロック伝達の重要性」
がスケーリングのキーの1つであるということです。
イーサリアム2.0ではこのブロック伝達問題をShardingとRollupのようなL2によって解決しているのに対し、SolanaではTurbineとTower BFTによって違う形でスケーリングアプローチをしているのです。
ブロック伝達率率問題については墨汁マガジンVol.87「ビットコインのブロック伝達率問題とは?なぜ1MBのブロックサイズ制限があるのか」を参照してください。
ブロック伝達のスケーリング
ではSolanaのTurbineがどのようにして5万トランザクションを含むビッグブロックを伝達しているのかについて見てみましょう。まず重要となるのはSolanaにおけるブロック提案(生成)とバリデータで、
「Solanaは