- 1 VDF(Verifiable Delay Function)とは?
- 2 VDFの利点
- 3 Ethashとマイニングの仕組み
- 4 VDFとの違い
- 5 Randomness Beaconとは?
- 6 Randomness Beaconの難しさの例
- 7 RANDAOの問題点
- 8 VDFを利用したRandomness Beacon
- 9 まとめ
イーサリアム2.0ではブロックチェーンのスケーリング可能で分散性の高い次世代アプローチを行っています。このアプローチの中に乱数生成の問題があり、現在Beacon Chainで使用しているRANDAOによる乱数だけではより高いセキュリティを確保できないという問題があります。その中で注目されているのがVDF(Verifiable Delay Function)という新しい関数で、最近ではSolana(ソラナ)がVDFをProof of Historyで使用しているため、耳にしたことがあるでしょう。
本稿ではこの内容把握が難しいVDFについて非技術者向けにわかりやすく解説を行います。乱数の重要性についてはリサーチレポート「真のイーサリアムキラーは”イーサリアム2.0(セレニティ)”」を参照してください。
VDF(Verifiable Delay Function)とは?
VDFとはVerifiable Delay Functionの略で、日本語では
Verifiable=検証可能な
Delay Function=遅延関数
つまり”検証可能遅延関数”を表しています。
ここで重要なのはDelay Function(遅延関数)であるという点で、これはVDFを通した数値を計算するまでに必ず特定時間(T)を有するという点です。
VDFには3つのコンポーネントがあり
・setup(T) → 公開パラメータ pp
・eval(pp, x) → 出力結果 y , 証明の生成(T時間を有する)
・verify(pp, x, y , π) → 真/偽
となっています。
この説明が一般的なVDFの特性を示していますが、具体例がなければ非常に理解が難しいのです。では順を追って具体例からVDFを理解してみましょう。
VDFの利点
VDFをイーサリアム2.0やSolanaが利用する利点は
「VDFを利用して