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墨汁マガジンVol.620「イーサリアム2.0 Beacon ChainとSharding連携の仕組み バリデータはどう扱われるのか?」

目次
  • 1 Shardingとは?
  • 2 Shardingのセキュリティ
  • 3 Shardingのセキュリティ上の仕組み
  • 4 乱数とセキュリティ
  • 5 VDFとイーサリアム2.0
  • 6 まとめ

イーサリアム2.0ではブロックチェーンを64個に分割してスケーリングするShardingというアプローチを長年研究開発しています。一方でこのShardingの仕組みはあまり知られておらず、どのようにShardingとバリデータでセキュリティ確保を行うかはあまり知られていません。本稿ではイーサリアムがShardingでとっているセキュリティアプローチについて詳しく解説を行います。

Shardingについてはリサーチレポート「真のイーサリアムキラーは”イーサリアム2.0(セレニティ)”」を参照してください。

 

Shardingとは?

Shardingとはイーサリアム2.0における最も大きな革新と言っても過言ではない技術で、1つのブロックチェーンでスケーリングできないものを分割して並列処理速度を上げることでスケーリングするというものです。例えばイーサリアム2.0ではチェーンを1024Shardを前提に開発が進められてきて、チェーンの分割数のみでみても現在のイーサリアム1.0と比較して1024倍のスケーラビリティを持つのです。

ですが単純計算でチェーンを分割すればするほど1つのチェーンに割くセキュリティコストは上がるジレンマがあります。

またブロックチェーンにおけるスケーリングにおける開発では

 

1.非中央集権

2.スケーラビリティ

3.セキュリティ

 

のトリレンマがあるのです。

これらの1つでもかけたり、下がったりすると既存のDBを利用する方が合理的であると言えるでしょう。

 

Shardingのセキュリティ

このようなトリレンマを跳躍することは根本的に難しく、秒間のトランザクションを表すTPSが大きいものは1や3が低下しているということになります。これはイーサリアム2.0でこのトリレンマを解決するためにSharidngを開発しているわけですが、

 

「Shardingにおけるセキュリティではステーキング数(バリデータ数)に影響を受ける」

 

のです。

ここに現在のロードマップで64Shardに落とした理由があるのです。

Shardingのセキュリティは

 

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