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墨汁マガジンVol.384「TronのSteemit買収と取引所と結託したソフトフォーク阻止の買収攻撃事件の問題点」

目次
  • 1 TronのSteemit Incの買収
  • 2 トロン側の今回の問題点
  • 3 SteemのDPoS中央集権とWitness問題
  • 4 まとめ

Steemは2016年3月にローンチした新興ブロックチェーンであり、ソーシャルメディアに特化したブロックチェーンです。2020年3月3日、TRONにより買収されたSteemのデベロッパー会社Steemit Incの$STEEMを投票に使用するためにステークしないよう凍結するソフトフォークを阻止するフォークをBinanceやHuobiなどの仮想通貨取引所と結託して行いました。

本稿ではこのソフトフォーク阻止と結託の大きな問題点及び、概要について詳しく解説を行います。

 

TronのSteemit Incの買収

Tronといえば、ICOで調達した資金で仮想通貨エコシステムの構成企業の買収を主とした中国のプロジェクトです。例としてBittorrentからはじまり、サークルによって買収された米老舗アルトコイン取引所のPoloniexなど開発やエコシステム成長を主とするブロックチェーンプロジェクトとは異なる買収や広告を主としているという特徴があるでしょう。

Tronは次の買収としてSteemit Incを買収、それと同時にトロンファンデーションのJustin SunはSteemitが保有する6500万STEEMを保有することになります。つまりトロンファンデーションはSteemのガバナンスで圧倒的力を持ち、非中央集権とセキュリティ脅かすという問題があります。

 

Steemコミュニティのステーカー、デベロッパーによりこのステーキングによる投票を一時的に無効にする防衛プロトコルのソフトフォークを提案。それをJustin Sunは「ハッカーによる攻撃」と称し、BinanceやHuobiなどの仮想通貨取引所と結託しこのソフトフォークを阻止、多くの議論を呼んでいます。

 

トロン側の今回の問題点

まずSteemitが保有していた6500万STEEMはこれまで投票に使われたことがなく、

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