- 1 Iron FinanceのTITAN暴落
- 2 銀行の取り付け騒ぎではない
- 3 TITANが暴落した仕組みの欠点
- 4 起こるべくして起きたTITAN暴落
- 5 Iron Financeの問題
- 6 まとめ
部分担保ステーブルコインという新たな枠組みを生み出したFrax Financeの”FRAX”は、Iron Financeによってフォーク(コピー)されPolygon(Matic Network)上にデプロイされました。高いリスクがある一方、それを認知されないままIron Financeの使用者が増えたことでTAITANの歴史的暴落により価格がほぼ0となったのです。本稿では起こるべきして起きたIron FinanceのTITAN事件について詳しく解説を行います。
前提知識としてIron Financeのフォーク元であるFrax Finance(FRAX)の仕組みについて墨汁マガジンVol.573「図解で理解するFRAXの仕組み Pt.1 部分担保の新たなステーブルコインFrax Financeとは?」を参照してください。
Iron FinanceのTITAN暴落
Iron Financeの発行するIRONはステーブルコインであり1ドルにペッグを目指し、仕組みとしてはMaker DAOのような担保が価値の裏付けとなったアルゴリズミックステーブルコインの一種です。一方でIRONのガバナンストークンであり担保の一部を担うTITANはその仕組みの欠陥から大暴落。2021年6月16日に約64ドルを記録し、わずか半月で約60倍以上に高騰していたものの暴落。TITAN売りが止まらず、現在ではTITAN価格はほぼ0となっており、その仕組みからTITANを購入すること自体がリスクであり、価格が現状では戻ることは不可能な状態となっています。
出典:Coingecko – Iron Finance TITAN価格チャート
銀行の取り付け騒ぎではない
Iron Financeは
「今回のTITAN暴落は銀行の取り付け騒ぎのようなもので起きた」
としていますが、TITAN価格のクラッシュは仕組み上の欠陥があったことが理由です。
IRONの担保にはMaker DAOのような担保率150%ではなく、
USDC:75%
TITAN:25%
が基本比率となり1ドルになるように担保されています。つまり75%はUSDC価格であり25%はTITANが価値を担っているため部分担保のステーブルコイン