- 1 アンバンクドとアンダーバンクド
- 2 ビットコインを法定通貨にする利点
- 3 金融史から考えるビットコイン
- 4 ビットコインの法定通貨化における高いリスク
- 5 ビットコイン自体の欠点
- 6 そもそも支払いには向いていない
- 7 ビットコインと法定通貨採用の今後
- 8 まとめ
中央アメリカの小国”エルサルバドル”は2021年9月7日にビットコインを世界初の法定通貨に正式に対応しました。本稿ではビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)をエルサルバドルのような国が法定通貨に採用することにおけるメリットとデメリット、ビットコインは法定通貨に値するのかについて詳しく解説を行います。
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化についてはテクニカル分析の重要ポイント2021年09月03日~09日「エルサルバドル550BTCを購入し事実売り イーサリアムのNFTバブルに陰りとその影響」を参照してください。
アンバンクドとアンダーバンクド
ビットコインが2017年から大きな高騰したことに伴い、アンバンクドやアンダーバンクドの人々も気軽に使用できるという面が注目を浴びました。このアンバンクド(Unbanked)とアンダーバンクド(Under Banked)とは
「銀行口座を持たない、または持てない層の人を表した言葉」
です。特に発展途上国に多く、経済的な事情や環境により銀行のサービスを受けられない層が一定数存在するのです。アフリカや中南米などで多く見られ、インフラが整っていないなどの理由も考えられる一方、スマートフォンの普及率は貧困地域でも高く、背景にはNokiaやBlackBerryが提供する安価なスマートフォンによるものが強いのです。
また通信設備なくてもスラム街などではWifi設備が整っていたりしており、ビットコインやイーサリアムのウォレットを持つことが銀行インフラを構築するより安価であることなどもアンバンクドやアンダーバンクドな人々にとっての利点とも言えるでしょう。
ビットコインを法定通貨にする利点
上記をふまえて考えた場合、一見エルサルバドルのビットコイン法定通貨採用はインフラ構築をすすめやすいという利点が見られますが、国家や金融の観点から見るとどうでしょう?
エルサルバドルのビットコイン法定通貨採用は
「エルサルバドルの