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墨汁マガジンVol.612「【2021年版】イーサリアム2.0は課税(利確)か?最新の動向から考えるThe Mergeで課税とならない理由」

目次
  • 1 イーサリアム2.0と構造の変化
  • 2 ETH2が利確扱いの場合とそうでない場合
  • 3 ETH2が利確扱いでない根拠
  • 4 The Merge後の構造
  • 5 まとめ

イーサリアム2.0では32ETHをステーキングすることでBeacon Chainのバリデータとなり、ETHをバリデータ報酬として受け取ることができます。その一方ETH2におけるステーキングが利確となる課税対象かどうかについて議論がかわされています。ですがイーサリアム2.0の今後と技術的な仕組みは2021年に入って大幅に変わっており、The Mergeをベースに考える必要があるのです。

本稿ではイーサリアム2.0が課税対象となる利確にならないと考えることができる根拠と、それに対してETH2が課税対象になる場合について詳しく解説を行います。

元々のイーサリアム2.0の利確かどうかの基準判断については墨汁マガジンVol.457「32ETHステーキングは技術上で見てもメインネットスワップに当たるのか?」を参照してください。

注意:本稿はイーサリアムの仕組みを前提に考えたことであり、税務署や税理士によって見解が違う可能性があります。顧問税理士または税務署に本マガジンの図解の仕組みをベースに解説し、相談をおこなってください。

Check

イーサリアム2.0と構造の変化

イーサリアム2.0は2021年前でのロードマップではイーサリアム2.0フェイズ0となるBeacon Chainをローンチした後、システムチェーンに対してトランザクションやコントラクト実行を行うためのデータチェーンであるShardingを段階的に実装するという計画となっていました。ここでの問題は最終的にイーサリアム1.0(ETH1)からのイーサリアム2.0への全体移行であり、

 

1.マイナーによるネットワーク攻撃

2.51%攻撃コストの定価

3.意味のないフォークコインの生成

4.放置による移行鈍化

 

などの様々な問題がありました。

対してEIP-3675のETH1とETH2の統合となる”The Merge”では次のフェイズに移行するのではなく、

 

「マイニングを廃止してPoSへ移行する」

 

という中間フェイズを挟む形となっています。この仕組から考えてイーサリアム2.0のステーキングは利確扱いとならないと考えることができるのです。

墨汁マガジンVol.600「図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合”The Merge” Pt.1 今後の重要実装EIP-3675とは?」を参照してください。

 

ETH2が利確扱いの場合とそうでない場合

イーサリアム2.0の構造を前提にすると利確扱いとならないと説明することができますが、逆に課税である場合もあります。これはどう違うかというと

 

「32ETHステーキング

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