USTを発行するTerra Protocolは、ステーブルコインが主軸となったブロックチェーンとして最も大きなエコシステムを持ち、Terraステーブルコイン同士のスワップやそれに伴うトービン税(Tobin Tax)、さらにはベースとなるオラクルモジュールなど他のアルゴリズミックステーブルコインとは大きく性質が異なると言えるでしょう。本稿ではTerraがここまで複雑なエコシステムを持つきっかけとなったフロントランニング攻撃と、その対策について詳しく解説を行います。
Terraのフロントランニング攻撃
Terra Protocolがブロックチェーンとしてメインネットをローンチしたのは2019年4月であり、DeFiの主軸となるステーブルコインのUSDCやUniswapといったAMM、レンディングのCompoundが2018年であることを考えると、まさに黎明期に誕生したと言えるでしょう。
当時はDeFiにおけるフロントランニングのアタックベクトルはまだ有名ではなかったこともあり、Terra Protocol自体もLUNAに依存することから不安定でした。
そんな中Terraは
「2019年7月~8月にかけてTerraはフロントランニング、及びオラクルモジュールの操作により攻撃を受けた」
のです。
具体的には
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