目次
- 1 EIP-155とEIP-1344
- 2 EIP-155とチェーンID
- 3 The Merge時の分裂後を考える
- 4 イーサリアム分裂の最大利益を享受する戦略
- 5 国内仮想通貨取引所は信用してはならない
- 6 ETH価格への影響
- 7 分裂したpETHの価格予想
- 8 まとめ
イーサリアムが今年夏に控えているETH1とETH2の統合をする”The Merge”では、PoWのイーサリアム(以下pETH)と正規ネットワークであるイーサリアム2.0に分裂すると考えられ、その際にイーサリアム上のERC20トークンやステーブルコインと異なりETHをどう運用するかで得られる利益に大きな差が出ると見られます。
本稿ではステーブルコインに続いて一番重要となるETH投資家におけるイーサリアムの分裂を見据えた最大利益を得る戦略についてわかりやすく解説を行います。
EIP-155とEIP-1344
まず戦略の前の前提知識として2016年スプリアスドラゴン(Spurious Dragon)で実装したEIP-155と、2019年に実装されたイスタンブールで実装したEIP-1344について知っておく必要があります。
2016年のThe DAOフォークにより破棄された旧イーサリアムチェーンで金儲けができると考えた中国のイーサリアムマイナーによりイーサリアムクラシックが誕生しました。EIP-155とはこのイーサリアムクラシックの誕生に対してトランザクションがリプレイされてしまう”リプレイ攻撃”に対応するための実装で、スプリアスドラゴンアップデートで実装。
さらにEIP-1344は2019年のイスタンブールアップデートで実装されたEIPで、どちらともチェーンIDに関連するEIPとなっています。
イーサリアムのスプリアスドラゴンについては墨汁マガジンVol.184「イーサリアムクラシックのアトランティスとスプリアスドラゴン」を参照してください。
EIP-155とチェーンID
EIP-155でリプレイ攻撃を防ぐ方法として
「イーサリアムのトランザクションにチェーンIDを含める」
というのがEIP-155の主な実装になります。
これは