- 1 イーサリアムのマージ(The Merge)で必要な準備
- 2 ETH2のFee Recipient(バリデータ報酬受取)とは?
- 3 ETH2クライアントのアップデート
- 4 Fee Recipientに指定するアドレスは?
- 5 ETH2 “Fee Recipient”の設定方法
- 6 Beacon Nodeの場合
- 7 バリデータクライアントの場合
- 8 墨汁うまいに質問する
- 9 まとめ
イーサリアムの一大イベント”マージ(The Merge)”ではイーサリアム2.0に移行してマイニング廃止が行われます。ですがマージではこれだけでなく、イーサリアム自体の構造が大きく変わることで32ETHをステーキングしているバリデータはマージの環境に適応するための新たに”Fee Recipient(バリデータ報酬受取)”を設定しなければいけません。
本稿ではイーサリアムの”マージ(The Merge)”に向けたETH2バリデータの重要な事前準備となる”Fee Recipient(バリデータ報酬受取)”とBeacon Node及びバリデータクライアントでの設定方法について非エンジニア向けにわかりやすく解説を行います。
イーサリアム2.0の32ETHステーキングによるバリデータの設定については「【非エンジニア向け】イーサリアム2.0ステーキング後のBeacon Nodeとバリデータノード起動のやり方完全マニュアル」を参照してください。
イーサリアムのマージ(The Merge)で必要な準備
2022年9月15日をイーサリアムのThe Merge(マージ)の前またはマージ後に対応が必要なのは
「イーサリアム公式のローンチパッドを介して32ETH以上を自己ノードでステーキングしているバリデータとイーサリアムマイナー及びイーサリアムノード」
となっています。
ETHを保有している投資家やDeFiユーザー、NFTアートのコレクターなどの一般ユーザーは仮想通貨取引所及びMetamaskやMEWなどのウォレットサービス提供者、DeFiプロジェクトやNFTマーケットプレイスが対応を行うため、そのままの状態で対応をする必要はありません。
一方で自己ノードで運用しているバリデータは
1.ETH2クライアントのアップデート(v3.0.0以上)
2.Fee Recipient(バリデータ報酬受取)の設定
3.ETH1エンジンのGethなどのエンドポイントの準備
がThe Mergeでイーサリアムの構造が大きく変わるため必要となるのです。
The Merge後のイーサリアムの構造については墨汁マガジンVol.741「【図解】イーサリアムで支払われる手数料はThe Merge後どうなるのか?バリデータ報酬の変動と取り扱い」にて図解でわかりやすく解説しています。
ETH2のFee Recipient(バリデータ報酬受取)とは?
イーサリアムのThe Mergeから導入されるFee Recipientとはその名前のように”バリデータ報酬受取先”を示します。バリデータのFee Recipientを設定するにはPrysmのv3.0.0以上にアップデートしていることが前提となるので、下記ETH2コンセンサスレイヤークライアント別に最新版を確認しましょう。
Prysm(プリズム):https://github.com/prysmaticlabs/prysm/releases
Lighthouse(ライトハウス):https://github.com/ConsenSys/teku/releases
Teku(テク):https://github.com/ConsenSys/teku/releases
Nimbus(ニンバス):https://github.com/status-im/nimbus-eth2/releases
Fee Recipient(バリデータ報酬受取)設定をしていない場合、本来”Priority Fee(優先手数料)”として受け取ることができる報酬が0x00にバーンされるので注意が必要です。
ETH2クライアントのアップデート
ではイーサリアム2.0クライアントの”Prysm”を例にFee Recipientの設定方法を見てみましょう。
まず最初に必要なのは
「Prysm