- 1 EIP-1559の基本的な仕組み
- 2 Priority Feeが得られる条件
- 3 ブロック生成してもPriority Feeが得られない場合もある
- 4 Priority Feeが報酬として得られない理由
- 5 まとめ
イーサリアムで32ETHステーキングをしているバリデータはマージ後の2023年2月現在、EIP-1559のPriority Feeをマイナーの代わりに得ることができるようになりました。一方でPriority Feeを受け取れないというバリデータも存在します。
本稿ではイーサリアムのマージ後にイーサリアムバリデータがPriority Feeを得られない原因と対応についてわかりやすく解説します。マージでのイーサリアムの構造変更点については墨汁マガジンVol.752「イーサリアム”マージ(The Merge)”で変更される構造を理解する ETHへの影響は?」を参照してください。
EIP-1559の基本的な仕組み
まずイーサリアムのEIP-1559の基本的な仕組みをおさらいしておきましょう。
EIP-1559は
「イーサリアムの検閲耐性を上げ、将来的にSharding(シャーディング)が実装された際にガス代が下がる」
という新たなイーサリアムの手数料モデルです。
EIP-1559では2つの手数料をコントラクト実行、ETH送金時に徴収し
Base Fee:バーン(焼却)される
Priority Fee:バリデータに対するチップ
の2つに分かれます。
Base Feeは混雑具合で変動し、支払われてもバーンされるというのが特徴で、Priority Feeは「支払わなくてもいいチップ」という違いがあります。ですがバリデータがPriority Feeが報酬として得られなかったとしても、そのブロックでPriority Feeが1つも支払われてないということはほとんどありえないと言えるでしょう。
EIP-1559のより詳しい仕組み墨汁マガジンVol.567「ロンドンでEIP-1559を実装する理由とイーサリアムへの影響 ETHは大量にバーンされるのか?」
Priority Feeが得られる条件
まずPirority Feeが必ず支払われていると仮定した場合、バリデータ報酬として得られるには条件があることを理解しておきましょう。
Priority Feeを得られるまでに必要な条件としては2ステップあり、
1.バリデータがCasper FFG