- 1 The Mergeでのイーサリアムの技術的変更点
- 2 イーサリアム2.0(The Merge)の仕組み一覧
- 3 EIP-3675″The Merge”
- 4 ブロック報酬及びETH発行数への影響
- 5 イーサリアムブロック生成時間の変更
- 6 EVMのOPCODE変更
- 7 まとめ
イーサリアムのマージ(The Merge)では最小限の構造変更でイーサリアム独自のPoSであるCasper FFGへ移行を行います。ですがThe MergeではステーキングをベースとするCasper FFGに移ることで、ブロック構造の変更や既存のコントラクトへの影響を考慮した改良を行っているのです。
本稿ではバリデータが理解しておくべきEIP-3675のThe Mergeでのイーサリアムの構造変更についてわかりやすく解説を行います。イーサリアムのThe Merge後の変更点とバリデータが知らなければいけないことについては墨汁マガジンVol.750「マージに向けてイーサリアムバリデータが知らなければいけないこと」を参照してください。
The Mergeでのイーサリアムの技術的変更点
イーサリアムの完全PoS(Casper FFG)移行を行うThe Mergeでの技術的変更点は主に
1.コンセンサスアルゴリズムの根本的変更
2.実行レイヤーとコンセンサスレイヤーの分離
3.ブロック生成時間の変更
4.ETH1エンジンのブロック構造の変更
5.OPCODEの変更
となります。
1と2は既にある既存のETH1とETH2を”マージ(統合)”するだけであり、The Mergeのコンセプトである”最低限の変更”という観点では3~5が主な変更と言えるでしょう。1のCasper FFGの仕組みとThe Merge後の構造については下記イーサリアム2.0の仕組み一覧を参照してください。
イーサリアム2.0(The Merge)の仕組み一覧
リサーチレポート「真のイーサリアムキラーは”イーサリアム2.0(セレニティ)”」
墨汁マガジンVol.259「イーサリアム2.0 ステーキングペナルティ Partial Slashingとは?」
墨汁マガジンVol.257「イーサリアム2.0 バリデータのペナルティ”Inactivity Leak”でスラッシュされる条件」
墨汁マガジンVol.343「イーサリアム2.0(ETH2)でバリデータがスラッシュ(ペナルティ)されたらどうなるのか?」
墨汁マガジンVol.398「ETH2バリデータのプロポーザーとアテスター フォークチョイスルールによる合意形成の仕組み」
墨汁マガジンVol.399「イーサリアム2.0コミッティ(Committee)とは?ETH2ブロックプロポーザーへのDDoS攻撃問題」
墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合 Pt.1 今後の重要実装EIP-3675」
墨汁マガジンVol.601「図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合”The Merge”Pt.2 ETH1エンジンとは?」
墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」
墨汁マガジンVol.741「【図解】イーサリアムで支払われる手数料はThe Merge後どうなるのか?バリデータ報酬の変動と取り扱い」
EIP-3675″The Merge”
イーサリアムのThe Mergeでのブロック構造の変更はEIP-3675として提案されマージされているので、構造変更について見てみましょう。
主な変更点としては
「The Mergeにより