- 1 免責事項
- 2 L2展開における課題
- 3 アクセスを失ったETHは利確扱いか?
- 4 アクセスを失った仮想通貨の考え方
- 5 仮想通貨税金上の計算はどうなるのか?
- 6 処理する際に注意すること
- 7 まとめ
イーサリアムのL2ネットワークを展開するRollupの技術が台頭してきている一方、zkEVMによって新たに秘密鍵管理とアクセス問題が今後急増していくことになるでしょう。本稿ではこれらのL2へのイーサリアムエコシステムの拡張により、秘密鍵管理やテストによってETHやERC20トークンなどの資産をGOXした際の税金問題や仕訳の考え方についてわかりやすく解説を行います。
免責事項
本稿における税金や仕訳については弊社顧問税理士と相談した結果の見解であり、法的なアドバイス及び確実性を保証するものではありません。見解は管轄の税務署に異なる場合があり、各自で税理士または税務署にて相談を行ってください。
L2展開における課題
イーサリアムはその開発ロードマップにおいて、スケーリング開発をサージ(The Surge)としてRollup(ロールアップ)を中心とした”Rollup Centric”を進めています。
Optimistic Rollupを採用しているArbitrum(アービトラム)やOptimism(オプティミズム)はEVM経済圏としてそのままMetamask(メタマスク)を利用できるため、Trezorなどのハードウェアウォレットを利用することができます。一方でzk-Rollup(ジーケー・ロールアップ)では
・StarkNet
・zkSync
・Linea
などがあり、StarkNetではMetamaskではなくArgent(アージェント)などの異なるWeb3ウォレットを使用することになり、秘密鍵管理が一括ではないパターンが考えられます。これらの問題から秘密鍵を紛失するケースが今後増えると考えられ、例えばETHを保管するEOAアカウントに一生アクセスできなくなる”GOX”する可能性が考えられるのです。
The Surgeについては墨汁マガジンVol.641「The Surgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」を参照してください。
アクセスを失ったETHは利確扱いか?
ではこのアクセスを失ったETHやERC20トークンなどの仮想通貨の税金上での取り扱いはどうなるかを考えてみましょう。
まず最初に重要なのは
「アクセスを失ったETHは資産を利確として考えるのかそうでないか」
という点でしょう。
これは結論から言うとどちらでもないと言え
「利確