- 1 イーサリアム「PoSからZK Eraへの移行」
- 2 イーサリアム3.0 Strawman
- 3 Beam ChainとThe Surgeなどの開発ロードマップの関係
- 4 イーサリアムBeam Chain(CL)側の実装
- 5 Based RollupとPreconfsによる次世代イーサリアム
- 6 イーサリアムETH1エンジン(EL)側の実装
- 7 DAレイヤーとしてのスケーリング
- 8 まとめ
イーサリアムは仮想通貨(暗号資産)における開発において変わらず圧倒的なトップを走っており、Beam Chainの発表から「PoSからZK Eraへの移行」というテーマを掲げています。
本稿では次世代CLのBeam Chainに続き、今後5年間のイーサリアムの最新の開発ロードマップについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。Beam Chainについては墨汁マガジンVol.1120「イーサリアムのBeam Chainとは?影響とSNARKificationを理解する」
イーサリアム「PoSからZK Eraへの移行」
イーサリアムは2022年9月20日にマイニングベースのEthashによるPoWから、Beacon Chain(ビーコンチェーン)をCLとし、既存のEthashをETH1エンジンとしてEVM実行レイヤーであるELとしたモジュラーチェーンアプローチによるPoSへ移行しました。
このイーサリアムのPoSはCasper FFGによるコンセンサスにより動いており、イーサリアムが2015年のローンチ前から計画していたより効率的でPoWよりもセキュアなチェーンへと7年越しに移行したということになります。
一方でBeacon Chain自体は2020年12月1日にローンチしたPoSチェーンであり、設計や計画で5年以上が経っている古いコンセプトであると言えるでしょう。そこでzkSync($ZK)やStaknet($STRK)などのいわゆるzkEVM(zkVMs)が利用しているZKP、ゼロ知識証明をベースとしたProofをイーサリアムのネイティブチェーンに導入し、
「分散性とセキュリティを上げつつスケーリングするというPoSからZK Eraへの移行を今後の5年で行う」
というのが2025年最新のイーサリアム開発ロードマップとなっているのです。
ZKにおける次世代ブロックチェーン構想は2016年時点でZcashのzk-SNARKsを実装する「Zcash on Ethereum」をビザンチウムで2017年10月に実装しており、7年のリサーチや開発を経てロードマップとして正式に発表した。
Check
イーサリアム3.0 Strawman
では墨汁マガジンVol.1120「イーサリアムのBeam Chainとは?影響とSNARKificationを理解する」でみたSNARKificationの概要からさらに詳しい開発ロードマップとその影響についてみていきましょう。
SNARKification、つまりBeam Chainのフォークは下図のような実装順番が予定されており、