イーサリアムにおけるZK(ゼロ知識証明)は元のZcash($ZEC)におけるプライバシーの匿名送金から、イーサリアム自体の処理速度を大幅に向上させ、次世代ブロックチェーンを構築するための重要なコア技術となっています。
一方で現在はZKの応用が多岐に渡っており、zkEVM(zkVMs)だけでなく、さらなるイーサリアムのプロトコルレベルでの改善に採用される動きとなっているのです。本稿ではZKの最新の動向とこれまでの開発経緯についてzkVMsやRISC Zeroについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
ZKの解説一覧
Vol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
Vol.927「図解で理解するzkEVMの仕組みPt.1 ゼロ知識証明とSTARKの違いから理解するzkEVMの利点」
Vol.1114「Vitalikが提案したイーサリアムRISC-Vベースの新世代EVM移行の開発アプローチとzkEVM(zkVMs)を理解する」
イーサリアムとZKの歴史
ではまずはイーサリアムとZKの歴史について見ていきましょう。ZK、いわゆるゼロ知識証明をベースとした暗号学を導入したのがZcashの「zk-SNARKs」であり、イーサリアムがZKを導入することになった重要なきっかけです。
| No | 年 | ブロックチェーン | シンボル | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2016年 | Zcash | $ZEC | zk-SNARKsを実装してローンチ |
| 2 | 2017年 | イーサリアム | $ETH | ビザンチウムでzk-SNARKsを実装 |
| 3 | 2019年 | Tornado Cash | $TORN | イーサリアムにコントラクトデプロイ |
| 4 | 2020年 | Starknet | $STRK | StarkEx(zk-Rollup)をローンチ |
| 5 | 2021年 | Starknet | $STRK | Starknetをローンチ |
| 6 | 2022年 | イーサリアム | $ETH | VitalikがzkEVMを定義 |
| 7 | 2023年 | zkSync | $ZK | zkSync Era(zkEVM)をローンチ |
| 8 | 2024年 | RISC Zero | N/A | zkVMsとして再定義 |
| 9 | 2025年 | イーサリアム | $ETH | イーサリアムL1にZK導入を明確科 |
また2017年段階ではEIP-196とEIP-197でzk-SNARKsをイーサリアムに導入、これは「Zcash on Ethereum」と当時の開発では呼ばれており、ビザンチウム(Byzantium)アップデートで導入され、イーサリアムの大幅な改良となりました。
一方で当時はガス代が高く、現在のように大規模に導入される段階かは10年前には不確かだったと言える状態でした。
ZKの2026年現在のトレンド
そしてArbitrum($ARB)やOptimism($OP)などのOptimistic Rollupのローンチ後、そこにZKを導入したzk-Rollupの初期ローンチとしてStarkwareがStarkExをローンチし、いわゆる一般的なEVMと同等の実行が可能となる「zkEVM」となるStarknet($STRK)やzkSync($ZK)がローンチしたわけです。
直近ではzkVMsとして新たなZKを導入したVMプロジェクトと、いわゆる1ブロック内に証明を生成できる「リアルタイム証明」の開発競争が起きており、zkVMsのProverを応用するというより広範囲な実装が2026年のトレンドとなっているのです。
