- 1 イーサリアムのガス使用率が最高数値更新
- 2 コントラクトのガス代が高騰する理由
- 3 ETH最安値でコントラクトを動かす
- 4 ガス価格の平均を確認するには?
- 5 実際の設定の仕方
- 6 まとめ
イーサリアムでのDeFiの利点は、ビットコインと違いブロック生成時間が短いことによる送金の速さや、十分な分散によるセキュリティによるコントラクトでのトラストレスなレンディングが可能となることでしょう。ですが同時に問題になってくるのは、イーサリアムの”ガスコスト”です。このガスコスト問題は、ナカモトサトシによってビットコインに導入された”トランザクション手数料”が起源であり、トラストレスなビットコインやイーサリアムなどをユーザーが使用する際に必ずかかる手数料で、イーサリアムではEIP-1559によって改善提案されています。
本稿ではイーサリアムのガスコストが急激に高くなる理由と、ガスコストを抑えてCompoundなどのレンディングでのコストを抑えることなどのガスコストに関するあまり知られていない問題と対応策について解説します。
イーサリアムのガス使用率が最高数値更新
前回Compound v2の使い方の解説で説明したように、現在イーサリアムの1日のガス消費量はATHとなっており、2019年の1月と比較すると約2倍にもなっていることがわかります。またこのATHに伴い、ガスコストが跳ね上がることも多くなっています。
出典:https://www.etherchain.org/charts/totalGasUsage
平均的に2~4gweiで問題ないガスコストも、ひどいときには14~20gweiまで跳ね上がることがあり、実に5倍近くまで到達することがあります。ふとガスコストを気づかずにコントラクトをそのまま実行してしまうと、予想外のコストがかかってしまうことがあるでしょう。これらのガスコストは、例えば即座にイーサリアムやERC20トークンを売却したい場合、気にしていては機会損失となることから、気にしない場合が多いでしょう。
ですが、Compoundのイーサリアム金利は0.1%を切っており、例えばガスコストに0.005ETHかかったとしたら最悪の場合ガスコストで利益がマイナスになる可能性も0ではないでしょう。例えば今回のレガシィプロトコルからの引出し後、金利が低すぎることからウォレット内にETHを残すという場合には、ガスコストは低いほどいいと言えます。
コントラクトのガス代が高騰する理由
ではます最初に、なぜガスコストが跳ね上がるのでしょうか?理由について見ていきましょう。
まずコントラクトが動くとき、EVMの各種OPCODEなどによって