マガジン内検索

墨汁マガジンVol.1113「イーサリアムの効率100倍化「RISC-Vベースの新世代EVM」を理解する」

目次
  • 1 イーサリアム今後10年の開発計画の解説一覧
  • 2 RISC-Vベースの新世代EVM
  • 3 RISC-VベースのEVMの概要
  • 4 EVMのボトルネックとハッシュ
  • 5 zkSyncのようなzkEVMとRISC-V
  • 6 RISC-VとRustによるコントラクト
  • 7 まとめ

イーサリアムの発明者であるVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏はイーサリアムの開発者向けフォーラム「Ethereum Magicians」にRISC-Vベースの新世代EVMへの移行について新たな提案を行いました。

本稿ではイーサリアムの今後10年の開発ロードマップとしてのVitalik Buterin氏の提案について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。

イーサリアム今後10年の開発計画の解説一覧

 

墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合」

墨汁マガジンVol.641「The Surgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」

墨汁マガジンVol.649「The Vergeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」

墨汁マガジンVol.647「The Purgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」

墨汁マガジンVol.650「The Splurgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」

Vol.781「イーサリアム今後10年の開発計画を理解する The Scourge(スカージ)とは?」

 

RISC-Vベースの新世代EVM

イーサリアムの発明者Vitalik ButerinはイーサリアムのスケーリングボトルネックとなっているEVMを最大100倍の効率化を図るRISC-V(リスクファイブ)ベースのEVMへの移行を提案しました。

このRISC-VベースのEVMではコントラクト開発言語はRustとなるものの、Rustはスマートコントラクトのコードとしてはデベロッパーには読みづらく、SolidityやVyperのようなイーサリアムが開発したコントラクトのサポートが必須であると言えるでしょう。

このRISC-V EVMでは後方互換により既存のEVMコントラクトを変わらずに実行可能であり、SolidityとVyperをサポートしつつ100倍の効率化を可能とするというイーサリアムらしい実装ということになるでしょう。

 

 

DEVCON2024で発表されたBeacon Chain→Beam Chainのイーサリアム3.0開発ロードマップは主にコンセンサスレイヤー(CL)を対象にしたもの

Check

 

RISC-VベースのEVMの概要

ではRISC-VベースのEVMについてみていきましょう。RISC-Vは命令セットアーキテクチャ(Instruction Set Architecture=ISA)であり、コンピュータのCPU設計のために開発されたものです。

ここで重要なのは技術的な話を抜きにすると

 

「zkSync

*ここから先はオンラインサロン会員専用です
マガジン内検索