- 1 財務省 G20での仮想通貨規制発表
- 2 送金時の厳しいKYCと淘汰されるVASP
- 3 ”暗号資産”としてのファンダメンタル上の影響
- 4 FATFのKYC要求は実現可能か?
- 5 まとめ
今月福岡で行われたG20で、FATFが仮想通貨間の取引所間での送金に、両取引所でそのアカウントのKYCが必要となる規制を発表。この規制により、海外取引所でもKYCをしておかなければ送金に支障が出るなどの問題が出てくるでしょう。
本稿では、この規制が取引所にとってどのような負担となり、実際に規制が可能か、この規制によりどのような影響を与えるかについて解説を行います。
財務省 G20での仮想通貨規制発表
FATF(ファトフ)とは、Financial Action Task Forceの略で、マネーロンダリングやテロリストへの資金が流れないような対策などを行う政府間機関です。G20に参加した財務大臣と中央銀行総裁により、仮想通貨に対する新たな規制の確約としてこのような文章が公開されました。
「仮想通貨は金融システムと幅広い経済において、G20は大幅なメリットを与えると考えている一方、消費者や投資家保護、AMLとテロ資金対策(以下CFTとする)などのリスクに警戒し続ける。その一環として、FATFの仮想通貨やデジタルアセットのAMLやCFTの基準を再確認する。」
とし、FATFノートとガイダンスを導入すると財務省は発表しています。
送金時の厳しいKYCと淘汰されるVASP
FATFはVirtual Asset Service Providersというカテゴリーを分類し、VASPと表記しています。つまり、仮想通貨のようなデジタル資産に関するサービスを提供する企業などが対象となり、主に取引所やウォレットサービスなどを提供する企業や団体がVASPとなるということです。
そして、G20に参加している各国は
「VASPが送金者と受信者の両者の資産状況及び、本人情報を把握して規制当局などの要求に対して利用可能にする」
という規制です。これらのことから、銀行間での送受信と同様に、各講座の所有者の情報を明確にするKYCと同様であるということになります。この規制は非常に大きな影響を及ぼすと考えられ、まずはVASPが