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墨汁マガジンVol.283「イーサリアム2.0への移行問題とDAOコントラクト」

目次
  • 1 スマートコントラクトの間違った認識
  • 2 真のスマートコントラクトと存在意義
  • 3 イーサリアム2.0移行インセンティブと対策
    • 3.1 マイナーのインセンティブを誘導する
    • 3.2 フォークチョイスルールの付与
  • 4 レガシーチェーンのコントラクトはイーサリアム2.0でも動くのか?
  • 5 まとめ

イーサリアム 2.0のフェイズ2では、eWASM(EVM2)の実装によりステート実行が可能となります。それまで既存のレガシィチェーン上にあるスマートコントラクト(Maker DAOやAugur、DEXなど)は、Shard Chain上に移行する必要があります。

本稿では、イーサリアムがセレニティへ移行した際に既存のコントラクトがどのようになるのか、デベロッパーやプロジェクトはどのような対応をしなければならないのか、イーサリアムのレガシーチェーン上のコントラクトが起因となる問題について見ていきましょう。

 

スマートコントラクトの間違った認識

そもそもスマートコントラクトはきちんと理解されていない傾向にあります。定義や特性について完全に理解しているユーザーは、市場でもほとんどいないでしょう。これは金融庁に登録されている仮想通貨取引所が取り扱い通貨の機能や特徴の解説を間違えているレベルなので、いたしか無いとは言えます。

 

例えばwikiのスマートコントラクトに対する解説について見てみましょう。

 

スマート・コントラクトSmart contract)とは、契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコルである」

 

とあります。また、よくある説明では「契約の自動化」などがありますが、半分正解で半分不正かいです。例えば契約の自動化がスマートコントラクトであるとすれば、APIを叩いて入力に対する出力結果を出せば、それはスマートコントラクトであり、ブロックチェーンを使う意味はなく、既存のDBの方がスループットやスケーリングにおいて圧倒的有利です。

つまり、この解説ではイーサリアムのスマートコントラクトについて理解していない解説であるということがわかります。また、イーサリアムの知名度を引き合いに出し、「このブロックチェーンが優れている」という主張の行っているものは、上記のような既存のDB上で行うスマートコントラクトと変わらないものが大半なのが現実でしょう。

 

真のスマートコントラクトと存在意義

では9割以上のブロックチェーンが既存のDBに劣る現状、イーサリアムの真のスマートコントラクトとはなんでしょう?それは

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