- 1 イーサリアムのブロックサイズ
- 2 イーサリアムのガスリミットとブロックサイズ
- 3 ブロックサイズの変更方法
- 4 スケーリングは不可能
- 4.1 SSDとEVMのスループット限界
- 4.2 ステートの肥大によるアーカイブノード問題
- 5 まとめ
イーサリアムにもビットコインと同様に、ガスリミットをベースとしたブロックサイズ制限が設定されています。ですが、イーサリアムの場合ビットコインと比較してより複雑な形となっており、EVMを考慮しなければならないのです。マイナーは利己的で、ネットワークを誠実に保つインセンティブはないため、収益面を最優先し、時にはイーサリアムのコントラクトを使用してネットワーク攻撃を仕掛けてきます。
これはイーサリアムがイーサリアム2.0でPoSであるCasperへ移行する最大の理由の一つでもあると言えるでしょう。本稿ではイーサリアムのブロックサイズリミットとスケーリングの関係性、イーサリアムのガス手数料モデルの欠陥を利用した攻撃による現在のイーサリアムネットワークの状態について詳しく解説を行います。
ガス手数料モデルの欠陥については下記マガジンを参照してください。
イーサリアムのブロックサイズ
ビットコインには1MBというブロックサイズの制限が2010年にナカモトサトシにより導入されています。対してイーサリアムにはブロックサイズの明確なリミットは存在せず、代わりにガスリミットが存在し1ブロックのサイズを実質的に制限していることになっています。
イーサリアムネットワークの平均ブロックサイズのチャートを見ると、現在のブロックサイズは20,405バイトつまり0.02Mバイトとなっています。
出典:https://etherscan.io/chart/blocksize
ビットコインのブロックサイズリミットとその理由は下記マガジンを参照してください。
イーサリアムのガスリミットとブロックサイズ
イーサリアムの送金またはコントラクトを動かす際、ガス価格とガスリミットを設定します。基本的にMetamaskなどのウォレットサービスプロバイダーは、ネットワークの混雑状況に応じて適切(実際はほとんどFast)に設定してくれますが、ビットコインと同様のオークション形式を取っているため、トランザクションの増加とともにガス価格が跳ね上がってしまうという問題があります。
イーサリアムの手数料は、ガス価格(Gas Price)とガスリミット(Gas Limit)の2つがあります
ガス価格 * ガスリミット = 手数料
というのは周知の事実でしょう。つまり、トランザクションの手数料はガス価格が100gweiでガスリミットが21000のとき、2100000gwei=0.0021ETHということです。ガスリミットと聞くと、このイーサリアムの手数料のガスリミットを想像しますが、ここでは