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墨汁マガジンVol.333「Maker DAO SAI(DAI)のエマージェンシーシャットダウンのリスクと注意点」

目次
  • 1 Maker DAO エマージェンシーシャットダウン
  • 2 エマージェンシーシャットダウンの注意点
  • 3 ESMの閾値とオンチェーンガバナンス問題
  • 4 DAI保有者の大きなリスク
  • 5 ヘアカットになる理由と計算式
  • 6 まとめ

oDAIを発行できるイーサリアム上のコントラクト、Maker DAOはMCDのローンチによりDeFiエコシステム全体が現在のSAIからMCD(DAI)へ移行する必要があります。この移行ではMakerプロトコルとしてEmergency ShutdownにDAIをレンディングしているユーザーは気をつけなければいけません。

特にSAIをETHを担保に発行しているユーザーより、SAIをベースに売買またはレンディングしているユーザーは非常に高いリスクがあるため、注意しなければなりません。本稿ではEmergency Shutdownの内容とリスク、ヘアカットリスクとその時の損失計算について詳しく解説を行います。

 

Maker DAOのSAIとMCDについては下記マガジンを参照してください。

 

Maker DAO エマージェンシーシャットダウン

Maker DAOのエマージェンシーシャットダウン(Emergency Shutdown)とは、Makerプロトコル上のセキュリティ機能の一つであり、新しくローンチしたマルチコラテラルDAI、通称MCDへの移行をスムーズに行うための一つの機能ともいえます。DAIはERC20トークンであるため、DAIの仕様を変更するにはコントラクトをリデプロイする必要があり、これはブロックチェーンでいうハードフォークのようなものであることから、新たなDAIであるMCDへの移行インセンティブとDeFiエコシステムを安全に保つ2つの役割を果たします。

 

エマージェンシーシャットダウン(以下ESとする)の起動には

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