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墨汁マガジンVol.339「ビットコインマイナーの行動から見るProof of Work(PoW)の問題点」

目次
  • 1 ビットコインのPoWは万能ではない
  • 2 1BTCをマイニングするための電力量
  • 3 分散性の低さ
  • 4 まとめ

ビットコインのマイニングは2016ブロックを1エラ(Era)とし、その期間の難易度に合わせて列演算の総当りによりブロック生成をできたマイナーが新規発行されるビットコインを得ることができます。ビットコインの発行手段はこのマイニングしかなく、マイニングはProof of Work、つまりマイナーの計算力によります。

この計算には大量の電気が必要となり、この電気量を環境汚染の観点などにより問題とする議論が見られ、Proof of Stakeがあげられます。ですが実際には電力の大量消費ではなく、Proof of Workには大きな問題が存在します。本稿ではマイナーの行動から見るProof of Workの問題点について詳しく解説を行います。

 

マイナーによる攻撃や問題点については下記マガジンを参照してください。

 

ビットコインのPoWは万能ではない

ビットコインにおいて用いられたProof of Workのマイニングと、ビットコインネットワークのインセンティブは非常によく考えられており、お互いやネットワーク参加者を信用することなくトラストレスに使用することができます。これは相互のインセンティブがうまく働いており、ビットコインネットワーク上での分散合意を可能としています。

ですがこの分散合意は完全ではなく、非中央集権による分散性も低いのが現状です。ビットコインASICに電力を大量に使用するというのも大きな問題ではありますが、PoWが万能ではない大きな理由として

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