- 1 NFTの解説一覧
- 2 Ordinal Protocol(オーディナル・プロトコル)とは?
- 3 EVMを持たないビットコインでNFTを実現させる際の問題
- 4 ビットコインOrdinalsの仕組み
- 5 ビットコインNFTのレアリティ
- 6 OrdinalsのNFTとしての個性
- 7 まとめ
ビットコイン上のNFTと呼ばれる”Ordinal Protocol(オーディナル・プロトコル)”はバイナンス(Binance)やOKXなどの仮想通貨取引所が取り扱いを開始するなどして一時話題となりました。
Bitcoin Ordinalsなどと呼ばれるこのOrdinal Protocolではイーサリアムのようなコントラクト実行を行うEVMのようなバーチャルマシンを持たないビットコインでの面白いアプローチを行っているのです。本稿ではビットコインNFTと呼ばれるOridinal Protocolの概要と仕組みについて投資家向けにわかりやすく解説を行います。
NFTの解説一覧
墨汁マガジンVol.597「NFTはバブルか?NFTの歴史から見る投資すべきかの判断の考え方とそのNFT投資のリスク」
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墨汁マガジンVol.764「DeFiやNFTにおける適切なApprove管理とは?Approveの仕組みから見るリスク」
Ordinal Protocol(オーディナル・プロトコル)とは?
ビットコインのOrdinal Protocolとは”Ordinal Number”、つまり日本語でいう”順序数”を元にしたプロトコルであり、
「ビットコインの最小単位であるサトシ(Stoshi/Sat)=0.00000001 BTCを利用してトランザクションの生成されるスキームとこの順序数(Ordinal Number)として識別し、そのユニークさをNFTにする」
というものです。
この順序数とはマイナーによってビットコイン(Sat)がマイニングされる順序(Order)、トランザクションのインプットとアウトプットに依存することから順序数(Ordinal Number)ということです。
EVMを持たないビットコインでNFTを実現させる際の問題
ビットコインではイーサリアムのようにコントラクト実行を前提としていないために”EVMのようなバーチャルマシン”を持たない非チューリング完全プロトコルであり、従来の方法では
1.マージマイニングのようなサイドチェーン利用
2. BTC以外の異なるトークンの利用
3.ビットコイン自体の変更ハードフォーク
を必要とします。
対してOrdinal Protocolでは
「ビットコインのトランザクション処理順序(Order)及びSat/Satoshiを使用して順序数を生み出すことで”安定した識別子”としてビットコインNFT、ステーブルコイン、さらにはERC20のようなトークンに活用する」
ということです。
ビットコインOrdinalsの仕組み
では実際にOrdinal Protocolの仕組みをみていきましょう。テザー社がUSDTを発行するために使用していたOmni Layerなどのビットコイン上のプロトコルでは、ただ発行したトークンと送金のトランザクションを書込みするだけでしたが、ビットコインOrdinalsでは