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墨汁マガジンVol.591「NFTをリードするEnjinの”JumpNet”の利点とは?NFTをスケーリングする新たなブリッジ技術」

目次

イーサリアムのDeFiブームとは別に、アートやゲームの固有トークンとしてNFTの人気が加速しています。イーサリアム上でNFT黎明期を築いたEnjin($ENJ)は、2021年4月1日に新たにイーサリアムスケーリングアプローチとして「JumpNet」をローンチ。さらにEnjinウォレットでPolkadotのサポートを開始するなど、NFTエコシステムの拡大が行われています。

本稿ではEnjinの最新動向と新たにローンチしたJumpNetについて詳しく解説を行います。

*本記事は会員登録なしで最後まで読むことができます。

Enjinの概要やERC-1155のNFT規格などについてはの詳細は墨汁マガジンVol.467「イーサリアムを活用したEnjinの$ENJはゲーム業界に革命を起こす」を参照してください。

 

EnjinウォレットPolkadotのサポート開始

Polkadotはイーサリアムクライアント”Parity”の元開発企業が開発を行っている新たなブロックチェーン技術の一つであり、Polkadot上に複数のブロックチェーンを作成できるパラチェーン(Parachain)という新たなコンセプトの元開発されているものです。またKusamaはPolkadotと同様にParityによって2019年にローンチされ、Polkadotは安定を重視したものであり、Kusamaは安定性より高速化に充填を置いた実証実験的チェーンとなっています。

EnjinウォレットではETHやNFTの他に

 

Polkadot:$DOT

Kusama:$KSM

 

を新たにサポートを開始し、イーサリアムウォレットとしてだけでなく”オールインワンウォレット”として今後も拡張されていくことでしょう。Enjinの構想としては「NFTのマルチチェーエコシステム」を念頭においており、今後の動向にも目が離せないと言えます。Enjin Walletのダウンロードは下記から

 

Enjin Walletのダウンロード:https://ja.enjin.io/software/wallet

 

EnjinのJumpNetとは?

EnjinはNFTのスケーリングソリューションとして2021年4月6日に”JumpNet”をローンチしました。このEnjinのJumpNetとは、イーサリアムを基にフォークしたEnjinのプライベートネットワークであり、イーサリアム上で発行しているEnjinのNFTとJumpNet間でのインターオペラビリティ(相互送金可能)を将来的に可能にするというものです。

またEnjinはJumpNetとは別にPolkadot上のパラチェーンとして”Efinity”というネットワークのローンチを予定しており、JumpNetやイーサリアム含めて3つのネットワーク間の自由なブリッジを将来的に可能にする開発を進めているのです。

 

出典:Enjin – イーサリアムとJumpNet、Efinity間のインターオペラビリティ

 

JumpNetのPoAと利点

JumpNetではイーサリアム2.0のテストネット”Pyrmont”が運用されているGoerliの”Proof of Authority”であるEIP-225 Cliqueコンセンサスが採用されており、Enjinとパートナーシップを結んだ信頼できるネットワーク運用者によりセキュアに保たれます。Proof of Authority(以下PoA)はBSCなどでも採用されており、信頼できるバリデータをリスト形式にしてブロックに書き込み、例えば51%攻撃や悪意のある参加者をブロックでき、安定に維持するためのセキュリティをローンチ時から確保できるという利点を持ちます。

 

 

またマイニングを必要とするProof of Workのようにすべてのトランザクションを参加者全員が検証する必要がないため、イーサリアムより分散性は下がるものの高速化が可能であり、さらに手数料を安くすることも可能です。イーサリアムからJumpNetに持ち込まれたEnjinコイン(以下ENJとする)の価値の裏付けは、イーサリアム上でコントラクトが動いていることからイーサリアムのセキュリティの恩恵を受けており、スケーリング可能なサイドチェーンという大きな利点を持つということになります。

 

JumpNetの初期段階

JumpNetではイーサリアムからENJをブリッジし、イーサリアムネットワークに戻すことができる双方向ブリッジが実現されています。NFTは現時点では1wayですが、開発が進むことで双方向ブリッジが可能となります。

現時点でJumpNetでできることは

 

1.ENJのブリッジ

2.ENJ及びERC-1155トークンの送受信(手数料無料)

3.ERC-1155トークンの発行と売買(手数料無料)

4.QRコードを介したNFTやENJの配布(手数料無料)

5.アプリまたはゲームに自動でNFT配布(手数料無料)

 

となっています。

 

 

JumpNetの一番の特徴は、イーサリアムのプライベートネットワークとしてEnjinと提携企業が運用していることからトランザクション手数料が無料であるという点です。DeFiにおけるコントラクトやステーブルコインのセキュリティはイーサリアムに勝るものはありませんが、ENJはイーサリアム上で発行されていることからJumpNetでも同様にトラストレスに使用することができます。

 

*ERC-1155はNFTのトークン形式。ERC-1155については「イーサリアムを活用したEnjinの$ENJはゲーム業界に革命を起こす」で詳しく解説を記載

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Enjinの今後のロードマップ

Enjinネットワークの今後として、Polkadot上のパラチェーンである”Efinity”のローンチを控えています。

 

フェイズ1:EFIトークンローンチとJumpNetのブリッジ、初期ステーキング

フェイズ2:Polkadotブリッジ、マルチシグ、ステーキング

フェイズ3:ガバナンス、スマートコントラクト、NFTDEX

主に3段回に別れています。詳細については下記ロードマップを参照してください。

 

Enjinロードマップ:https://efinity.io/whitepaper/roadmap

 

分析と考察

EnjinはERC-1155という画期的なNFTトークン形式を生み出すだけに終わらず、コインチェックやGMOに上場して日本市場を開拓。さらにDeFiによる手数料高騰からイーサリアムのスケーリングやエコシステムの拡大を精力的に行っていることがわかります。DeFiのようなお互いのコントラクトの連携を示す”コンポーザビリティ”に縛られないNFTは、特にJumpNetやEfinityとのブリッジによる恩恵を受けることができ、将来的に新たなトレンドを作り出していくことになるでしょう。

 

Enjin公式:https://enjin.io/

Enjin日本語公式ツイッター:https://twitter.com/EnjinJP

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