イーサリアムが開発した独自のPoSであるCasper FFGは、PBFTをベースとしたコミッティによるブロック提案型のコンセンサスアルゴリズムとなっています。このコミッティによるブロック提案をするProof of Stakeには複数のアプローチがあり、スケーリングとセキュリティのバランスが異なるという特徴があります。
本稿ではイーサリアム2.0やPolkadot、Cosmos、EOSなどのProof of Stakeに対するアプローチの違いについて非エンジニア向けにわかりやすく解説を行います。PoSのコンセンサスアルゴリズムのコアとなる”PBTF”については墨汁マガジンVol.624「Solana(SOL)のTower BFTとは?Proof of Hisotryを用いた非同期PBTFを理解する」を参照してください。
スケーリングとセキュリティは表裏一体
まず前提知識として必要となるのは
「処理速度のスケーリングとセキュリティは表裏一体であり、トレードオフである」
という点です。
これはブロックチェーンでよくある間違いとして
「ブロック生成速度を比較してブロックチェーンに優劣をつけるのはお門違い」
という点です。単純に速度が早いものは中央集権化しており、ブロックチェーンのような限られたリソースでスケーリングする必要のあるものをトラストレスに使用することができなくなるため、スケーリングと分散によるセキュリティの割合が最も重要なのです。実際にはスケーリングには3つのトレードオフである”トリレンマ”を考える必要があり、イーサリアム2.0ではShardingによるアプローチでこのトリレンマを解決します。
トリレンマについてはリサーチレポート「真のイーサリアムキラーは”イーサリアム2.0(セレニティ)”」を参照してください。
コミッティ(Committee)とは?
イーサリアムにおけるコミッティ(Committee)とは
「ブロック