- 1 BinanceのProof of Reserveの監査が突然終了
- 2 監査法人が仮想通貨Proof of Reserveを避ける理由
- 3 BUSD(Binance USD)のリスクを考える
- 4 資本関係から分析する
- 5 BUSDのリスク評価
- 6 まとめ
仮想通貨取引所最大手のBinance(バイナンス)はステーブルコイン最大手のUSDCの取り扱いを終了し、BUSD(Bainance USD)がメインステーブルコインの売買ペアとなっています。BUSDはDeFiでも使用されている一方、Binanceのマネーロンダリングに関わっているとする刑事訴訟のリークや、CEOのCZが提案した仮想通貨取引所の”残高の証明(Proof of Reserve)”が不透明である問題から不審が加速しており、BUSDの保有についても考える必要があるでしょう。
本稿ではもしBinanceがFTXと同様に顧客資産を1:1で保有しておらず、破産や大きなトラブルがあった場合にBUSDがどのような影響を受けるのかについてわかりやすく解説を行います。Binanceの刑事訴訟については墨汁マガジンVol.791「バイナンスの刑事訴訟リークの影響 最大手仮想通貨取引所は破産する?」を参照してください。
BinanceのProof of Reserveの監査が突然終了
BinanceのCEOであるCZ=Changpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)はFTXグループの破産の引き金を引いた後に「信頼を取り戻すため仮想通貨取引所の透明性」の必要性を主張。仮想通貨取引所が顧客資産を正しく1:1で保管しており、FTXのように顧客資産を使い込みをしていないことを証明する「Proof of Reserve(残高の証明)」を提案しました。
一見Binanceは正しいことを主張しているように見えるものの、自らの提案で不信を加速させているのです。BinanceのProof of Reserveを証明するには監査法人における第三者監査がなければ主張に終わってしまいます。
そのためフランスの監査法人であるMazars Group(マザーズ・グループ)が
・Binance
・Crypto.com(レンディング)
・KuCoin
の監査契約を行い、Binanceはレポートを公開していたものの監査結果を消去。さらに「過去のある残高」という限定的なリポートしか提出していないとしており、全ての仮想通貨取引所との契約を一時停止すると発表したのです。
監査法人が仮想通貨Proof of Reserveを避ける理由
またここで重要なのは
「Binance