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墨汁マガジンVol.1018「話題のWBTC問題を理解する 知られざるJustin Sun問題とリスク」

目次
  • 1 WBTCとは?
  • 2 WBTCの概要
  • 3 WBTC問題
  • 4 仮想通貨の10年間の爆弾一覧
  • 5 知られざるJustin Sunの問題点
  • 6 Tron問題と疑惑
  • 7 FTX破産で学ぶこと
  • 8 まとめ

イーサリアム上にビットコインを持ち込むことができるWBTC(Wrapped BTC)はDeFiにおけるステーブルコインと合わせて中核的役割を果たしている一方、Tron(トロン)のJustin Sun(ジャスティン・サン)が参入することで「WBTC問題」として懸念が上がっています。

本稿では現在のWBTCが取り巻く問題点について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。WBTC及び類似のrenBTCの発行の仕組みと違いについては墨汁マガジンVol.483「図解で理解するrenBTCとWBTC発行の仕組みと違い renVMの役割とは?」を参照してください。

 

WBTCとは?

仮想通貨におけるWBTCとは「Wrapped BTC」のことであり、

 

「イーサリアム上でERC20トークン形式としてビットコイン(BTC)の裏付けを持つトークン」

 

を指します。

つまり本質的にはCircle社が発行するUSDCや、テザー社のUSDTと同様で、1WBTCに対して1BTCが裏付けとして保管されているということであり、中央集権ではあるもののユースケースのないBTCに対してイーサリアム上でのDeFi利用、さらにはイールド(利回り)まで生むことができるまさに画期的なステーブルコインの一種であると言えるでしょう。

 

WBTCの概要

WBTCはカストディアンであるBitGoが提供しており、WBTCのプロジェクト概要は下記のようになっています。

 

開発元BitGo
チェーンイーサリアム
種類カストディアン
コア技術ERC20
創設年2013年
メインネットローンチ2023年6月21日
資金調達額1.69億ドル(約246.5億円)
公式X(Twitter)@WrappedBTC
トークンWBTC

 

WBTC問題

WBTCはDeFiでビットコインが利用できる一方、2022年から次々と問題を抱えています。今回で言えばBitGoが2024年8月10日に発表したJustin Sunの会社であるBiT Globalとの提携がことの発端となっているのです。

 

 

出典:Bitgo – Justin SunのBiT Globalとの提携発表

 

ここでのポイントは

 

1.WBTCは

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