目次
- 1 ETH暴落とDAIの担保事件詳細
- 2 DAIが担保不足(Undercollateralized)にならない条件
- 3 エマージェンシーシャットダウンを回避しDAIの担保を安定させるには?
- 4 DAI保有者はどうするべきか?
- 5 Makerと円高リスクを回避する
- 6 DEXの利便性を利用する
- 7 レンディングを続け最大47%の金利を得る
- 8 まとめ
イーサリアム価格は2020年3月13日に47%もの暴落を記録。
この影響によりイーサリアムネットワークはガスプライスが200Gwei近くまで高騰するという混雑となり、DAIを発行するMaker DAOのコントラクトもエマージェンシーシャットダウンを迫られる大きな問題へと発展しています。本稿では今回のDAIのリスクとDAIホルダーが取る行動のオプションについて詳しく解説を行います。
エマージェンシーシャットダウンの詳細についてはVol.333 Maker DAO SAI(DAI)のエマージェンシーシャットダウンのリスクと注意点を参照してください
ETH暴落とDAIの担保事件詳細
ETH価格が1日で47%も下落したことで、DAIのペッグを担うMaker DAOの担保のETHは多くがデフォルトとなり強制的に清算されることになります。この担保のETH(MCDの場合BATも含む)は150%の担保率を下回った分の債務を返済するために売却されますが、DEXでの出来高が過去最高を記録や、下落に伴うコントラクトの大量実行などによりガスプライスが200Gweiまで高騰し、混雑したことにより担保清算がうまくできなかったのです。
具体的にはMaker DAOがETH価格の