- 1 SSDとHDDは5種類存在する
- 2 イーサリアムバリデータとマイニングの違い
- 3 HDDの転送速度と性能
- 4 SSDとの性能比較
- 5 接続のボトルネックと問題
- 6 まとめ
イーサリアム2.0のバリデータでは、最低運用スペックとしてストレージにSSDが推奨されています。SSDは10年前と比較すると非常に安価となったものの、HDDと比較すると1GBあたりの価格は依然として高く、バリデータのために既に保有しているHDDを流用できないため初期コストがかさむことになるでしょう。
本稿ではイーサリアム2.0のバリデータ運用を行う際のHDDやSSDについてデータから比較、検証と分析結果について詳しく解説を行います。
バリデータノードの初期コストについては墨汁マガジンVol.406「ETH2トパーズテストネットから分析する最新バリデータコスト」を参照してください。
SSDとHDDは5種類存在する
まず前提知識としてイーサリアムノードにも使用するストレージについて見ていきましょう。主にストレージにはHDDとSSDがあり、更に細分化すると
・M.2 SSD
・SSD SATA接続
・3.5インチHDD 7200rpm
・3.5インチHDD 5400rpm
・2.5インチHDD
の5つに細分化することができます。基本的に下にいくほど1GBあたりの価格が安く、最新規格のM.2 SSDは周辺機器(M/Bやケースなど)が高額になりますが、速度が非常に早くなります。トパーズテストネットや、イーサリアムレガシーチェーンのフルノードではHDDではなくSSDが推奨されているのが現状です。
イーサリアムバリデータとマイニングの違い
イーサリアムレガシーチェーンのマイニングリグでは、マイナーはマイニングプールに参加するため独自にイーサリアムノードを建てる必要がありませんでした。従ってマイニングリグではSSDではなく低スペックHDDで問題がなく、非常に安価で小型な2.5インチHDDで十分でした。例えば2.5インチHDDで250GBの場合約3000円前後となります。
対してイーサリアム2.0バリデータは自身が一つのバリデータノードとして、Beacon Nodeを建てることが大前提であるため、バリデータは常にイーサリアム2.0のスロット(ブロック)同期を考慮しなければならないのです。そのためSSDでなければならない場合、既に所有しているHDDを流用することができずSSDを新たに購入する必要があるでしょう。
SSDで250GBの場合4000~5000円+ケースが必要となるため、約2000~3000円の価格差が出ることになります。また将来的なことを考慮して容量を大きくすると、その分だけSSDは割高になってしまうのです。
HDDの転送速度と性能
では実際にイーサリアム2.0バリデータをHDDで運用できるかについてデータからみていきましょう。まず重要となるのはHDD