- 1 EVM経済圏とは?
- 2 EVM経済圏の欠点
- 3 EVMサイドチェーン戦争
- 4 データでの傾向分析
- 5 世代別の推移に注目
- 6 EVM経済圏の今後
- 7 まとめ
イーサリアムの次世代ブロックチェーン技術をベースとしたイーサリアム2.0への移行の第一段階となるThe Mergeは、2022年6~8月頃のアップデート予定となっています。一方でイーサリアムのDeFiやNFTによる需要増加で暴騰したガス代から逃れる形でEVMを実装したサイドチェーンとなる”EVM経済圏”は、ユーザー獲得に成功してTVLが上昇して価格も上昇しました。
本稿では2022年中旬のマイニング終了からのイーサリアム2.0への移行開始に伴い、Polygon(Matic)やSolana(SOL)、BSC(BNB)などのEVM経済圏が今後どのような影響を受けるのかについてデータとともに分析、解説を行います。
イーサリアム2.0への移行The Mergeについては墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合 Pt.1 今後の重要実装EIP-3675」にてわかりやすく解説しています。
EVM経済圏とは?
仮想通貨におけるEVM経済圏とは、
「イーサリアムのバーチャルマシン”EVM”をフォークして実装した複数のブロックチェーンで構成するインフラ」
を指します。
EVM経済圏の利点はプロジェクトのデベロッパーが複雑で調整の難しいバーチャルマシンを開発する必要がなく、さらにイーサリアムのコントラクトをそのままコピーしてデプロイ(使用)することができるため、ユーザーやプロジェクトを簡単に増やすことができるという利点があります。
またこれは各種メジャープロジェクトがEVM経済圏までサービスを展開することができるという利点があり、
・BSC
・Gnosis Chain(xDAI Chain)
・Polygon(Matic)
・Fantom
・Harmony
・Avalanche
などがEVM経済圏となります。ArbitrumやOptimismなどもEVMを実装していますがこれらはRollupをベースとしたL2であり、上記EVM経済圏は基本的にイーサリアムをフォークしてセキュリティとスケーリングの比率を変更したものを指します。
EVM経済圏の欠点
上記でみたEVM経済圏の利点はお互いのブリッジコントラクトの対応のしやすさなどもあり、現在ではEVM経済圏内でのトークンのブリッジは標準インフラとして使用されています。
一方でEVM経済圏の欠点として
「