- 1 イーサリアムのデフレ率
- 1.1 EIP-1559によるバーン
- 1.2 イーサリアム2.0のETHステーキング数
- 2 ETHの需要は落ちているのか?
- 3 短期指標から見るETH需要
- 4 中長期のETH需要の変化
- 5 なぜデフレしているのにETHが下がる?
- 6 デフレという”盲点”
- 7 まとめ
イーサリアムはDeFiやNFT需要だけでなく、ETH2の32ETHステーキングやEIP-1559によるBase Feeのバーンによって大幅なデフレとなっており、日によってはETHの発行数よりも高くなっており、マイナスとなることもあります。一方でイーサリアム価格はこのデフレとETH需要があるのにもかかわらず、2022年にはいって価格が下落し続けていてます。
本稿ではイーサリアムのデフレのデータとETH需要、なぜこれらの極端なデフレにも関わらずイーサリアム価格が下落を続けているのかについて詳しく解説を行います。
イーサリアムの価格影響を与える指標についてはテクニカル分析の重要ポイント2021年11月30日~06日「イーサリアムリアルタイム指標で警戒 年末ビットコイン相場の今後の注意ポイント」を参照してください。
イーサリアムのデフレ率
イーサリアムは単純なDeFiやNFT需要の他に、メインデフレ指標として
1.EIP-1559のBase Feeバーン
2.イーサリアム2.0ステーキング
があります。
EIP-1559によるバーン
まずイーサリアムプロトコルとして恒久的にデフレとなり得るEIP-1559があり、これは
「使われれば使われるほどETHがデフレする」
という設計となっています。
2022年2月末現在のETHバーン総数は191.9万ETHとなっており、200万ETHという大台の目前となっているため1年足らずで200万ETHに到達とする見られるでしょう。
出典:ultrasound – EIP-1559によるETHバーン数
EIP-1559でETHが使用されるほどバーンされる仕組みについては墨汁マガジンVol.623「Sahrding実装後イーサリアムのガス代は下がるのか?EIP-1559の仕組みから考える」にてわかりやすく解説しています。
イーサリアム2.0のETHステーキング数
イーサリアム2.0のステーキングは現状ステーキングした32ETHを引き出すことができず、The Merge後のポストMergeのロードマップとして引出し機能を実装する予定となっています。つまり現状ステーキングされたETHはデポジットコントラクト内にロックされているため、イーサリアムの大きなデフレ効果の恩恵を受けているのです。
デポジットコントラクト内には2022年2月末現時点で962.8万ETHとなっており、EIP-1559と合わせるとイーサリアムが発行しているETHの市場供給量の約10%がロックまたはバーン状態としてデフレしているということになります。
出典:Etherscan – デポジットコントラクトにステーキングされたETH数
The Mergeについては墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合 Pt.1 今後の重要実装EIP-3675」を参照してください。
ETHの需要は落ちているのか?
上記データで見ると、ETH市場供給量の10%がロックまたはバーン状態であり、その分だけ需要と供給のバランスが強制的に
需要 > 供給
という形となっていることがわかります。
ではこれらのデータからETHの需要が落ちているのかというと
「短期