- 1 イーサリアムブリッジの仕組み解説一覧
- 2 LayerZero統合とクロスチェーンスワップ
- 3 Stargateのブリッジ特性
- 4 Stargateが解決するブリッジトリレンマ
- 5 Stargateが他のブリッジと異なる理由
- 6 流動性とコンポーザビリティ
- 7 Stargateのリスク
- 8 まとめ
イーサリアムエコシステムに欠かせないLayerZeroが提供する公式ブリッジの”Stargate(スターゲート)”は、多くのブリッジやクロスチェーンスワップを導入したDeFiに統合されており、知らないうちに使用しているのです。一方でStargateがどのようにして多くのブリッジに対応しているかは知られていないと言えるでしょう。
本稿ではStargateを介したクロスチェーンブリッジを維持するための仕組みについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
イーサリアムブリッジの仕組み解説一覧
Vol.483「図解で理解するrenBTCとWBTC発行の仕組みと違い renVMの役割とは?」
Vol.484「図解で理解するrenBTCのリスク renVMのプロトコルとダークノード」
Vol.712「イーサリアムブリッジ(Birdge)の3つのコア技術の概要と利点/欠点を理解する」
Vol.726「図解で理解するイーサリアムのRelayer型ブリッジコントラクトの仕組み」Vol.728「図解で理解するAMM型ブリッジ Hop Exchangeの仕組みとHop ETHとは?」
Vol.857「図解で理解するOrbiter Financeの仕組み 次世代イーサリアム”Cross-Rollup”ブリッジとは?」
Vol.869「図解で理解するLayerZeroの仕組み Pt.1 ブリッジ技術のジレンマとULN(Ultra Light Node)」
Vol.935「図解で理解するLayerZeroの仕組みPt.2 Stargate(STG)とは?概要と仕組みを理解する」
LayerZero統合とクロスチェーンスワップ
LayerZeroは特定のブロックチェーンやイーサリアム上のプロジェクトではなく、ネィティブプロトコルに組み込まれるBaaS(Bridge as a Service)です。DeFiプロジェクトがクロスチェーンブリッジをプロトコルにネィティブ統合(内部に機能として追加)するには
1.LayerZeroのメッセージングプロトコルを統合
2.Stargateのブリッジを統合
の2つ方法があります。
ですが1のLayerZero自体を導入するには技術的な理解が必要ですが、2のStargateをバックグラウンドで使用する場合であれば流動性もそのまま使用できるという利点があり、多くのDeFiプロジェクトがStargateを統合している一番の理由であると言えるでしょう。
LayerZeroを採用しているプロジェクト一覧についてはリサーチレポート「【完全版】LayerZero(レイヤーゼロ)を採用している91のDeFiとNFT一覧~ZROトークンの最大エアドロップを獲得する戦略~」を参照してください。
Stargateのブリッジ特性
イーサリアムからEVMチェーンやL2、zkEVMなどにブリッジを行う場合、3つの問題となる”トリレンマ”が存在し
1.Instant Guaranteed Finality(即時保証されたファイナリティ)
2.Cross-Chain Composability(クロスチェーン・コンポーザビリティ)
3.Unified Liquidity(統一された流動性)
の3つで、これらを妥協してブリッジを導入するのが一般的となっています。そのため多くのブリッジでは仮想通貨のロック後にミント、焼却(バーン)からの償還という形式となるのです。
この形式を取るブリッジでは2のCross-Chain Composabilityを除くジレンマの解決のみとなるのが一般的です。
これらの一般的なブリッジ方式にも利点と欠点があり、例えば