- 1 BlockFiとの合意はFTXの債権者にとってもプラス
- 2 FTXはBlockFiとの分が悪かった
- 3 チャプターイレブンの投票が鍵
- 4 FTXの返金スケジュール
- 5 FTXが100%以上の返金は可能か?
- 6 まとめ
2022年11月に破産した当時最大手のFTXは連鎖倒産を引き起こしたBlockFi(ブロックファイ)と10億ドルを超える債権の合意が決定しました。このことからFTXのチャプターイレブンの破産処理は最終局面に迎えているといえ、FTX債権者にとって重要な取引だったとも言えるでしょう。
本稿ではFTXの債権者が知っておくべき現在の破産処理状況と、債権額の100%を超える返金が受けられるのかなどについてわかりやすく解説を行います。BlockFiとの合意については墨汁マガジンVol.957「BlockFiは返金率100%となるか?今後のスケジュールと知っておくべきこと」を参照してください。
BlockFiとの合意はFTXの債権者にとってもプラス
FTXは約1年半の期間をBlockFiとのローンや債権請求、クローバック訴訟等のやり取りを行い、2023年末からMediation(仲介者)を入れて交渉を続けていました。結果的にFTX側からのBlockFiに対する請求を全面的に棄却し、8.74億ドル(1302億円)のBlockFiからの請求を認める形で決着がつきました。
これはBlockFi側の方が先に支払いを一部受けられるなどFTX債権者にとっては一見マイナスであり、さらにもともとBlockFiに対してFTXが持っていた債権額は支払い優先順位がBlockFiユーザーより引き下げられているため、基本的にFTXはBlockFiから1円も回収できないということになるためです。
このような債権額の支払いという面ではFTX債権者にはマイナスですが、このBlockFiとの合意が進まなければFTXのチャプターイレブン処理が永遠に進まないため、訴訟に発展しなかったということは数年単位での時間の節約につながったということが言えるのです。
FTXの破産処理状況と想定される返金までのスケジュールについては墨汁マガジン
Vol.941「【2024年最新】FTXのチャプターイレブンの破産処理状況はどうなっているのか?」を参照してください。
FTXはBlockFiとの分が悪かった
仮想通貨ニュースサイトなどで報道はされていませんが、実はFTXとBlockFiでは立場の有利さでいうとBlockFiの方が上だったのです。
今回BlockFiの全面勝利となった理由として、
「BlockFiの