目次
- 1 チャプターイレブンの解説一覧
- 2 FTX債権者は100%の弁済を受けられる予定
- 3 FTX債権者によって異なる実際の弁済率
- 4 FTXの再生状況
- 5 FTXの資産返還にかかる期間
- 6 現状のFTX再生の今後展望
- 7 まとめ
2022年に破産した世界最大手仮想通貨取引所を運営していたFTXグループは依然として連邦破産法11条”チャプターイレブン(Chapter11)”処理をしており、破産裁判所における長い手続きを行っています。
本稿では破産から1年以上が経過したFTXの破産処理状況の現状と今後クリアしなければいけない課題ついてわかりやすくか解説を行います。
チャプターイレブンの解説一覧
Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」
Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」
Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」
Vol.893「Convenience Claimとは?注意が必要なBlockFiのEBallotを使用したチャプターイレブン再生プランの投票」
FTX債権者は100%の弁済を受けられる予定
現地時間2024年1月31日に行われた破産裁判所の公聴会によると、
「FTXは十分な破産財産の回収に成功しており、FTX顧客は100%の弁済を受けられると考えている」
とFTXの弁護士であるAndrew Dietderich氏は述べています。
一方で”FTX2.0”としてFTXグローバルを再始動させる計画は破棄される予定であるとしており、BlockFiと同様に事業を買い取りたいというファンドや企業が現れなかったことが理由であるとしています。
FTX債権者によって異なる実際の弁済率
では債権者の弁済についてみていきましょう。ここでポイントとなるのは””債権額は破産時の時価を参照しているという点”でしょう。
つまりFTX債権者は得する場合と損する場合があり、
「FTX破産時に