- 1 Polkadotの歴史
- 2 Polkadotはイーサリアム2.0と競合する?
- 3 図解で理解するPolkadotの構造
- 3.1 イーサリアム2.0の構造
- 3.2 Polkadotの構造
- 4 Polkadotの仕組み
- 5 DOTにおけるガバナンス
- 6 まとめ
元イーサリアムクライアントParityが開発するPolkadotは、イーサリアム2.0と同様に現状のブロックチェーン技術ではスケーリングできないことからパラチェーン(Parachain)というコンセプトの元、インターオペラビリティを中心に考えた次世代ブロックチェーンのエコシステムを目指しています。本稿ではPolkadotの概要について詳しく解説を行います。
イーサリアム2.0の次世代ブロックチェーンの概要については墨汁マガジンVol.575「イーサリアムの今後 ETH2のSharingとL2で構成する次世代ブロックチェーンを理解する」にて詳しく解説を行っています。
Polkadotの歴史
Polkadotはイーサリアム開発者のGavin Woodによって創設され、Gavin氏はEthereumのイエローペーパーなどでも知られており、元イーサリアムのCTOでした。PolkadotのホワイトペーパーはイーサリアムのShardingに対しての別アプローチとしてのマルチチェーンというコンセプトとして2016年11月に公開しました。
2016年11月:Polkadotのホワイトペーパー発表
2017年7月:Parityのマルチシグウォレットのバグで約34億円分の15万ETHが盗まれる
2017年10月:DOTのICOを開始し、約500万DOTを約48.5万ETHを調達
2017年11月:再度マルチシグウォレットのバグでICOで調達したETHが永久凍結
2019年6月:凍結したETHを利用したエアドロップでEdgeware(EDG)を公開
2019年12月:イーサリアムクライアント”Parity”としての開発をやめOpenEthereumとして譲渡
2020年5月:Polkadotのメインネットローンチ
2020年7月:2度目のICOで約45億円を調達
2020年8月:初期発行1000万DOTから100倍の10億DOTへ引き上げ
となっています。
Edgeware(EDG)のロックドロップとParityの凍結したETHについての問題については墨汁マガジンVol.233「Edgeware(EDG)のロックドロップの問題点と将来的な売り圧」を参照してください。
Polkadotはイーサリアム2.0と競合する?
Polkadtoは自称イーサリアムキラーと異なり、長年イーサリアム開発に携わってきたことから技術力が高いことは間違いないでしょう。一方でイーサリアム2.0とPokadotが競合するかという疑問が上がりますが、Parityは
「イーサリアム2.0と競合するつもりはない」
と述べています。一方でPolkadotのスケーリングアプローチは