- 1 TerraのLUNAとUSTの仕組み一覧
- 2 LUNA暴落とUSTのペッグ崩壊の時系列
- 3 USTへの不信感が高まったきっかけ
- 4 2.5億USTの引出しは何が問題なのか?
- 5 USTとLUNAの問題
- 6 AnchorのAPY大幅引き下げの影響
- 7 LUNA価格が1ドルを割った理由
- 8 UST保有者はどうするべきか?
- 9 作戦1
- 10 作戦2
- 11 まとめ
LUNAをバーンして発行するステーブルコインの”UST”は、LUNA価格が最高値から116分の1へ暴落したとともにペッグが崩壊。USTは対USDTに対して最大で87%の暴落となり、LUNA価格に依存するため今後のガバナンスや運営による変更に注意をしなければいけません。
本稿ではTerraのLUNAの今後とUSTのペッグ崩れを解決するためにTerraが取る対策の問題、今後の影響とUSTホルダーが取るべき行動について投資家向けにわかりやすく解説を行います。
TerraのLUNAとUSTの仕組み一覧
Vol.687「USTを発行するTerra(LUNA)の概要 Terra自体のリスクと注意するべきこと」
Vol.689「図解で理解するUSTがLUNAによってペッグする仕組み TerraとFrax Financeの違い」
Vol.691「Terraのトービン税(Tobin TAXとは?Terra Stationでの実装背景と理由」
Vol.694「TerraにおけるLUNAステーキングの役割 DeFiにおける問題を解決するオラクルモジュールとは?」
Vol.696「図解で理解するTerra ProtocolのUST発行レートの決定方法 オラクルモジュールのVotePeriodとは?」
Vol.697「Terra(LUNA)に起きたフロントランニング攻撃とオラクルモジュール操作攻撃の概要 同じ攻撃は今後起きるのか?」
LUNA暴落とUSTのペッグ崩壊の時系列
まずLUNAとUSTのペッグ崩壊の時系列を見ていきましょう。
USTへの不信感が高まったきっかけ
まず今回のUSTのペッグ崩壊の引き金を引いたのはLuna Foundation Guard(ルナファンデーションガード)通称”LFG”がイーサリアム上のステーブルコインAMM”Curve Finance”のUSTプールから1.5億USTの流動性を抜いたことから始まります。この直後、大口投資家と見られるユーザーが8400万USTを売却したことでペッグが最大2%ほど崩れたのです。
これについてTerraの創設者であるDo Kwon氏はCurve Financeでローンチした新たなステーブルコインプールである「来週4PoolにUSTを追加するため」と弁明しているのです。4PoolとはUSDC、USDT、UST、FRAXの4つをベースとするMaker DAOのDAIとは異なる新たなステーブルコインプールであり、USTをデポジットすることで流動性を高めようとしていたというのがDo Kwon氏の主張となっています。
また1.5億USTを引出したことでプールバランスが崩れた、つまりペッグが崩れはじめてからその崩れを是正するためにさらに1億USTを引出したとしているのです。
出典:Twitter – Do Kwon氏の1.5億USTの引出しに対する弁明
さらに10日にはLFGがUSTのリザーブのためとして保管していたビットコインのすべてである4.25万BTCを出金したことで、さらにUSTとLUNAへの不信感が加速していったのです。
LFGのビットコイン買いと残高の推移、価格影響については2022年04月03日~09日「TerraのLFGビットコイン買いの価格影響は? イーサリアムは市場をリードできずトレンドフォロー」を参照してください。
2.5億USTの引出しは何が問題なのか?
ではなぜ2.5億USTの引出しが問題となるのでしょうか?主な理由として
1.流動性が下がることでUSTのペッグが崩れる
2.引出したUST