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墨汁マガジンVol.1061「【図解】deUSDを発行するElixirとは?deUSDのリスクを理解する」

目次
  • 1 Liquid Stakingの仕組み一覧
  • 2 Elixirとは?
  • 3 deUSDとは?
  • 4 deUSDの裏付けの仕組みを理解する
  • 5 deUSD発行の手順
  • 6 deUSDのリスク
  • 7 まとめ

イーサリアムのLSTであるLido Finance(ライドファイナンス)のstETHとMakerDAO(メーカー・ダオ)を活用したElixir(エリクサー)のdeUSDはブラックロックのBUIDLで採用をし話題となっています。

本稿ではdeUSDを発行するElixirの概要について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。

Liquid Stakingの仕組み一覧

 

Vol.312「イーサリアムバリデータプール “Rocket Pool”の仕組みとノードオペレーターの報酬(手数料)」

Vol.313「イーサリアム2.0のバリデータプール”Rocket Pool”のリスクとペナルティ対策」

Vol.706「LidoのstETHのペッグが崩れる理由 Curve Financeでデュアル流動性マイニングプールをローンチする利点とは?」

Vol.713「図解で理解するLidoでイーサリアム2.0のステーキング報酬をstETHに反映する仕組み」

Vol.709「イーサリアム2.0ステーキングプールLido Financeの概要 Rocketpoolとの違いと利点とは?」

Vol.713「図解で理解するLidoでイーサリアム2.0のステーキング報酬をstETHに反映する仕組み」

Vol.768「LidoのstETHをCurve Financeで運用する場合ステーキング報酬はどうなるのか?」

 

Elixirとは?

Elixirとはイーサリアムエコシステム上に展開するいわゆるCelestia($TIA)やEigenLayer($EIGEN)で知られるモジュラーチェーンのDPoSネットワークであり、いわゆるOptimistic RollupのArbitrumやOptimismと同じL2に近い形です。またSynthetixと同様の合成資産ステーブルコインである「deUSD」を発行しているマーケットメイカーとして知られています。

Elixirのプロジェクト概要は下記のようになっています。

 

対応チェーンイーサリアム(deUSD)
種類分散マーケットメイカー
創設年2022年
資金調達額1460万ドル(21.9億円)
公式X(Twitter)@elixir
トークンシンボルN/A
DEX採用dYdX, Satori, Blufin,

 

合成資産については墨汁マガジンVol.531「【図解】DeFiの基礎 Synthetixの仕組みVol.1~合成資産の発行と利点~」を参照してください。

 

deUSDとは?

ではElixirのコアとなるdeUSDについて見ていきましょう。deUSDは「decentralized US Dollar」の略で分散ドルを意味しています。

このdeUSDはいわゆるSynthetixがDeFiに導入した合成資産であり、

 

・stETH(Lido Finance)

・ETHパーペチュアルのショート

・USDS = 旧DAI(MakerDAO)

 

などで構成されるイールドベアリング(yield-bearing)の合成資産ステーブルコインということです。

このdeUSDがMaker DAO(Sky)のDAI(USDS)のようないわゆるアルゴリズミック・ステーブルコインと違う点としては

 

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