- 1 The MergeとETH分裂のマガジン一覧
- 2 免責事項
- 3 The Merge後のETHWはあくまでフォーク
- 4 ETHW付与は課税か?
- 5 フォークコイン課税の基準を考える
- 6 ETHWの取得選択肢
- 7 仮想通貨取引所での付与
- 8 投資家にとって不利になる場合
- 9 対策方法は1つ
- 10 まとめ
イーサリアムの超大型アップデート”The Merge”は2022年9月中旬に予定されており、PoWイーサリアムとマイニングを破棄してPoSに完全移行するETH2とPoWのイーサリアムとなるETHW(イーサリアムPoW)の2つに分裂の可能性が高まっています。ここで気になるのがThe Mergeで分裂した後に発生する”Proof of Workのイーサリアム”とその課税の疑問でしょう。
注意したいのはThe Merge時の自分の対応によって、”税金の支払い義務が変わる”という点はあまり知られてないでしょう。本稿ではThe Merge後にETH2とETHWに分裂した際の課税について技術的にどうなるのか、どうすることがベストなのかについてわかりやすく解説を行います。
The MergeとETH分裂のマガジン一覧
墨汁マガジンVol.600「The Mergeとは?図解で理解するイーサリアムのETH1とETH2統合 Pt.1 今後の重要実装EIP-3675」
墨汁マガジンVol.715「【図解】イーサリアムは完全PoSの”The Merge”でPoWとPoSの2つに分裂するのか?」
墨汁マガジンVol.718「イーサリアムThe Merge分裂時に最大利益を得る戦略〜ETH編〜」
墨汁マガジンVol.717「イーサリアム分裂で最大利益を得るための戦略〜ステーブルコイン編〜」
墨汁マガジンVol.729「イーサリアムがThe MergeでPoS(ETH2)とPoW(ETHW)に分裂した場合のETHWの価値を考える」
免責事項
筆者は税理士ではないため、あくまで技術上どのようになるかをベースに自分で仕訳を行う場合の例について解説をしています。判断自体は税理士や所轄の税務署に相談し、最終判断を行ってください。
The Merge後のETHWはあくまでフォーク
まず税金について考える前に把握しておく必要があるのは
「イーサリアムはローンチ前からProof of Stakeに移行することが決まっており、The Mergeはイーサリアムにとっての一大イベント」
であるということです。
つまりイーサリアムマイナーが”PoWのイーサリアムが真のイーサリアムである”と主張したとしても、
「正規のイーサリアムネットワークはThe Mergeを行ったETH2であり、分裂したPoWのイーサリアム(以下ETHWとする)はあくまでフォークである」
ということです。
The Mergeの仕組み自体からみても現在のDeFiやNFTマーケットプレイスが動いているETH1を”ETH1エンジン”とし、32ETHのステーキングを必要とするBeacon Chainをシステムチェーンとすることから課税イベントではない”コンセンサスアルゴリズムを変更する大型アップデート”ということになるでしょう。従ってThe Mergeが起きてもETHの取得額の変化や、利確扱いではないと説明することができます。
ETHW付与は課税か?
問題となるのは”The Merge時に分裂した場合に付与されるETHWの税金”でしょう。
あまり認識されていませんが
「ETH保有者がThe Merge時とその後に取る行動によって利益がないのに不要な税金の支払い義務が発生する可能性がある」
という問題もあるのです。
ここで重要なのは下記3つのシナリオによって条件が異なるという点で、
1.ETHWが分裂した場合
2.価値